江戸時代には後に浅草裏手に移転するまでは吉原遊郭があり、その後は浅草に芝居小屋が集められるまで歌舞伎の中村座・市村座や人形芝居の結城座などがあった中央区日本橋人形町。人形を制作・販売する店が並び、人形遣いが多く住んでいたことが地名の由来だといわれています。永らく芳町花街として栄えてきた一帯には老舗が多く残っており、人形町通りや甘酒横丁を中心に老舗の飲食店や和菓子店や食品店などが連なっています。
天保8年 / 1837年創業、甘味処 初音
人形町にある甘味処 初音。天保八年の創業以来、大震災や日比谷線開通の一時立ち退き等を乗り越えて、今も同じ場所で創業されています。長い歴史でずっと同じ場所で営業されている老舗の中では、かなり古い部類に入るのではないでしょうか(東京の場合、江戸時代から続く老舗は、江戸の大火・震災・空襲と複数回苦難を経験されており、そういったタイミングでお店を移されるケースもあるんです)。
初音という名前ですが、歌舞伎の義経千本桜に登場する「初音の鼓」を基に付けられたそうです。勉強になりました。
お祭りで混みすぎでした
さて、お店の外観です。お伺いした日は、お祭りの日で屋台が出ており、正面の写真が撮れず、でした。奥の青い看板の店が初音さんです。
寄りめの正面カットがこちら。
お店のディスプレイ。初音 = あんみつの印象が強いのですが、パフェ系やかき氷にも魅了されますね…。
こちらがメニュー。創業天保八年、が輝いています。
お伺いした日はまだまだ暑い日でしたので、抹茶のかき氷をお願いしました。白玉は別皿で運ばれてきます。
そしてあんみつ。クリームあんみつと物凄く悩んだ結果、シンプルなあんみつをチョイス。
初音さんにお伺いする少し前に、赤坂 相模屋さんのあんみつ及び寒天にやられていたので、そんじょそこらでは驚かないぞ、と思って食べてみたのですけれど、求肥と寒天の味の濃さに驚かされます。特に求肥に至っては、今まで食べた中で最も柔らかい触感で、美味しい求肥とは何であるか、が頭の中にインストールされてしまいました。自分のバーを上げるこの経験は良かったのか悪かったのかw。
初音さんは、最近の老舗によくある和モダンな感じではなく、昔ながらの甘味処を感じさせる、クラシックな町中のお茶屋さん、といった感じ。お客さんには少し年配の方が多い印象でしたが、その分ゆっくり落ち着ける、どこかタイムスリップしたような気持ちにさせてくれる、素敵なお店でした。
———-甘味処 初音 基本情報———-
〇創業年 天保8年 / 1837年創業
〇営業時間
11:00~20:00(L.O.19:30)
日曜・祝日11:00~18:00(L.O.17:30) 無休
〇住所
東京都中央区日本橋人形町1-15-6
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