大田区南東部で吞川、京浜運河を隔てて昭和島、海老取川を隔てて羽田空港などと接している大森南。かつては近隣の大森東・大森中地区などと共に、江戸初期に浅草からの移住漁民が始めて永らく浅草海苔として販売されていた海苔の養殖で栄えていました。また、明治30年代初期に湧泉が発見され、穴守(現大田区羽田)と共に当時は東京23区内最古の鉱泉だった森ヶ崎鉱泉(旧大森区森ケ崎)の鉱泉旅館街が、近隣の大森海岸海水浴場と共に第二次大戦前は東京近郊の保養地として賑わい、更に花街としても発展しました。第二次大戦中に旅館は軍需工場寮に転用され鉱泉は閉鎖されて、元々は旅館街に建てられていた森ケ崎鉱泉源泉碑が現在は大森寺(だいしんじ)境内に移築されています。住宅地と工業用地とが混在するこの町にも老舗の食品店が残っています。
1872年創業、多数の高級店が使う海苔の加工・販売を行う 吉田商店
森ヶ崎十字路のバス停から徒歩3分、京急大森町駅から徒歩20分強の場所にある 吉田商店。初代となる吉田兼次郎氏は、大森の将軍家御用海苔問屋 三浦屋本店で修業後の1868年(明治初年)に、三好屋として独立。そして1872年(明治5年)に乾海苔問屋「吉田商店」を創業されており、この年を創業年とされています。元々大森中にあり地元住民の方からは吉謙さんと呼ばれていたそう。今の場所には2015年(平成27年)に移られました。
吉田商店さんといえば、銀座の有名すし店 久兵衛や、日本三大料亭のうちの2店吉兆、金田中に海苔を卸している、日本の高級店を支える海苔屋さんなのです。
という吉田商店さんの外観。工場の2Fにミニショップがあります。 こちらがミニショップの看板。階段上って2Fにあがります。階段の途中にはこんなポスターが。吉田商店さんは、伊勢湾で獲れたアサクサ海苔を使われた商品もお持ちなんです。
お店に入りました。色んな種類の海苔が並んでいます。
金田中さんの海苔もありました。2缶で5400円!いつか買いたい…!
花という更に高級な海苔も。こちらは1缶1万円+消費税。アメリカ出身の日本画家アラン・ウエスト画伯が描かれた絵が缶になっています。海苔の世界も深い。有吉くんの正直さんぽにも出られたお店とのことで見慣れたステッカーが。結構な住宅地まで歩いてきているんですね。
高級系焼き海苔も食べたかったのですが、焼き海苔は家にまだあったため今回は味のりを購入。はこびぐさ、という名前で1缶800円弱でした。
こんな感じ。海苔の歯ごたえと歯切れのバランスが良い。この海苔美味しいなぁ。
吉田商店さんの焼き海苔、美味しそうなものばかりだったのですが、前述のとおり家に焼き海苔がまだあるので今回は味のりをチョイスしました。味のりもめっちゃ美味しかったけれど、せっかくなら金田中さんの海苔や、久兵衛さんの海苔を食べたいなぁ。ということで、お金貯めてまた行きますw。
——- 吉田商店 基本情報———-
〇創業年 1872年創業 / 明治5年創業
〇営業時間
・10:00~17:00
※日曜、祝日、年末年始、お盆 定休日
〇住所
東京都大田区大森南4-8-8 2F
(公式サイト)⇒ 株式会社吉田商店/大森本場乾海苔問屋/大田区/海苔/お歳暮/お中元/ギフト/通信販売/桑名/焼海苔/大森海苔/手土産/手みやげ/お取り寄せ