東京 大坂屋 砂場 本店(創業1872年)

東京 虎ノ門。地下鉄 虎ノ門駅を出てオフィス街のビル群を進むと突如タイムスリップしたかのように現れる木造の大正ロマンが漂う、大坂屋 砂場 本店へ。

登録有形文化財の虎ノ門のお蕎麦屋さん

大坂屋 砂場 本店は1872年(明治5年)に創業。大正12年に一度建て替えられています。
そしてなんと言っても登録有形文化財になっているお蕎麦屋さんです。
その証拠に店舗の後ろのビルは大坂屋を避けるように不自然にL字に建てられています。すごい。
関東大震災や東京大空襲の時代を耐えたこの大坂屋ですが、近年実は新橋界隈の都市開発の影響で移転・取り壊しの危機にも直面していたようです。
しかし、先代から続く店を次世代にも受け継ぎたいという強い意志のもとで、取り壊しをせずに店舗を後方に2メートル移動という形で事なきを得たの事。
様々な難をくぐり抜け変わらずにその場所にあり続けている事に感動すら覚えてしまいます。

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最も歴史が古い 江戸蕎麦御三家「砂場」

江戸で食べられていた蕎麦を江戸蕎麦と言うのですが、
「砂場」とは何ぞや??
これは屋号のこと。
蕎麦文化が華やいだ江戸時代。江戸時代から続く江戸蕎麦のれん御三家といえば「更科」「藪」そしてその中でも最も歴史が古い「砂場」です。
「砂場」のルーツは実は大阪にあります。豊臣秀吉が大坂城を築城する際に資材の砂や砂利を置いていた場所が「砂場」と呼ばれていました。その近くにあった蕎麦屋が「砂場」という屋号になったのですね。まんまですね。
その後江戸に進出し、江戸に栄えました。
東京各地に「砂場」というお蕎麦屋さんは他にも沢山あるので、屋号をチェックして立ち寄るのもまた良いかもしれません。

勝海舟・山本五十六・田中角榮などの著名人が愛した蕎麦

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現在は五代目が営んでいる、ここ大坂屋 砂場。店内も昔の雰囲気を残していて居心地の良さと品があります。
店内には勝海舟、山岡鉄舟、高橋泥舟らいわゆる幕末の三舟の書が飾られています。
場所柄、山本五十六、鳩山一郎、田中角榮などの著名人もご贔屓にしていたそう。

変わらない味とバリエーションの多さと変わり種

もちろんスタンダードな伝統の砂場の江戸蕎麦はもちろんですがこちらの大坂屋のメニューはバリエーションが多い。
はまぐりそば、白子蕎麦、揚げ茄子おろし蕎麦、納豆蕎麦…。などなど気になるメニューが沢山。ま、迷います。
来店した日の気温が低かったため、暖かいお蕎麦の「卵とじそば」を注文。

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暖かく安心する味でとても美味しかったです。冬には格別ですね。
季節のメニューも多く、一つには絞れないメニューの数々でした。それは次回来店した時に試してみることにしましょう。

変わりゆく時代の流れの中、変わらずにその場所にあり続けている 大坂屋 砂場 本店。
是非一度、その歴史に思いを馳せながら蕎麦を食してはいかがでしょうか。

———-大坂屋 砂場 本店 基本情報———-
・創業年
・1872年(明治5年)
・営業時間
【月~金・日・祝・祝前】11:00〜20:00
【土】11:00〜15:00
・住所
・東京都港区虎ノ門1-10-6

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