東京 新宿中村屋(1901年創業)

ここは新宿。新宿伊勢丹をはじめ人通りの絶えない新宿通り沿いに新宿中村屋があります。
2014年にフルリニューアルを果たした新宿中村屋。一見は老舗の出立には見えない立派なビルなのですが、新宿の老舗といえばここ!と言われるほど、こちらも100年以上の歴史を誇る老舗中の老舗なのです。

-すべてのはじまりはインド人活動家を匿ったことからはじまった

こちらの珠玉のインドカレーが生まれたきっかけは、大正初期にインド独立運動家ラス・ビハリ・ボースが日本に亡命をしたことからはじまります。
インドは当時イギリス領。日本とイギリスは同盟関係にあったため、イギリスは日本に対してボース氏の日本国外追放を要求します。
しかし当時、社会活動家の人達とも信仰が深かった店主 相馬愛蔵氏が、社会的に危うくなるリスクを覚悟しつつもボース氏を中村屋に匿うことにしたのです。

ちなみに当時の中村屋は、喫茶店営業をしておらずパン屋さんでした。
一見カレー誕生には結びつきそうにありませんが、このエピソードが中村屋の看板メニューを生み出すことになります。

 

 

-当時の日本のカレー事情と本場インドカレーのノウハウが合わさった”恋と革命の味”

明治〜大正時代当時、日本のカレーといえば具材は少なめでサラサラのカレールー。安価でもご飯が沢山進むイギリス海軍カレーが主流でした。
カレーに対して特に造詣が深かったラス・ビハリ・ボースは、この当時の日本のカレー事情に憤慨します。
ちょうどその頃、店主である相馬愛蔵氏もちょうど喫茶店をはじめる構想がありました。

中村屋で人目につかないように生活をしていたボース氏を、喫茶店メニューの開発作戦に迎えて、共同で日本人の味覚にも合う新メニューのインドカレーの開発に乗り出すこととなりました。

 

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そこで生まれたのがこちら「新宿中村屋のインドカリー」。

イギリス海軍カレーに慣れていた日本人の感覚に合わせて、インドカレーではあるものの、洋風の平たいお皿にご飯が盛られています。

くわえてこちらはインドカレーとはいえ、薬膳やスパイスのクセがなく、コクがありつつもあっさりとしたバランスの取れたカレー。

一般的にカレーは味の濃さやコクでとにかくカンタンに美味しくなりがちなのですが、味の濃さやコクだけに頼らず、食材の良さを活かしつつ絶妙なバランスを保ったものに仕上がっています。欧風の濃厚なカレーとは違った気品漂いますね。

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インドカレーといえばチキン。現在ではビーフを使うお店も多いですが、こちらは創業初期から変わらずチキンを使っているそうです。ビーフほど重くなく、チキンを使っているのも味やボリューム感のバランスの計算がなされているように思います。

余談ですが、新宿中村屋はインドカリーの他にもカリーパンクリームパン発祥のお店としても大変有名です。
お店ではカレーのことを「カリー」と発音しているのですが、ボース氏の発音が由来で、ボーズ氏への敬意を評して表記しているそうです。

濃厚な欧風カレーに食傷気味な方。シンプルで究極のカレーを味わいたい!という方は是非、新宿中村屋に訪れてみてください。

帰りにカレーパンやクリームパンをお土産に買うのもおすすめです。

———-新宿中村屋基本情報———-
・創業年
・1901年4月1日(明治34年)
・営業時間
11:00~22:00
(金曜日・土曜日・祝前日 11:00~22:30)
・住所
・東京都新宿区新宿三丁目26番13号

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