江戸時代は武家屋敷町で、旗本の神保長治氏の屋敷があったことに由来する千代田区神田神保町。近隣の駿河台地区にかけて各種の学校や大学が集積していますが、それらの私立大学が明治初期に法律学校として相次いで開設された際に、古書も含めた法律書の書店が次々に生まれ、やがて多くの一般書・専門書の新刊書店・古書店が建ち並んで、今や世界最大規模の神田古書店街を形成しました。和洋中の飲食店も数多く建ち並び、平成中期以降は神田小川町など近隣にかけてカレー料理店も多く集まってきました。一方で古風で特色ある喫茶店も多く、老舗の飲食店や和菓子店なども残っています。
1924年創業、スマトラ等で学んだカレーの味を引き継ぐ 共栄堂
神保町駅A5出口から徒歩1分ほど、JR御茶ノ水駅から徒歩9分ほどの場所 靖国通り沿いにあるカレーの老舗として知られる共栄堂。インドネシアのスマトラ島でカレーを学び、カフェー南國を経営していた伊藤友治郎氏からそのレシピを受け継ぎ、1924年(大正13年)にお茶の水で洋食店として開業されています。
神保町に移った際にはビアホールのランチョンさんと並びのビルだったそうですが、火災が発生し建て直しとなった際に、2軒の100年越え名店が同居する形となっています。ちなみに共栄堂の名は”お客さまと店が共に栄える”の意味するそうですよ。そんな共栄堂さんは洋食店としてスタートし、その頃からカレーは出されていましたが、昭和50年代にカレー専門店となり現在に至ります。
※カフェー南國は関東大震災で倒壊
という、共栄堂さんの看板です。吊るす箇所のデザイン含めて、めちゃくちゃカッコ良い。

この日、著書「日本老舗食等大全」の取材でお伺いしたので、開店前のお客さんがいないタイミングを撮れています。ありがたすぎる。

店内の様子です。普段は常に混み合っているので、いつもなら撮れない写真ですね。
店内には昔のポスターも掲示されています。純スマトラ式カレーライスと書かれています。
レシピおw伝えてくれた、伊藤友治郎氏ということで良いのかな。

カフェー南國の広告かな。コーヒー・ココア・紅茶・カレー・南国鍋とあります。南国鍋ってどんな料理なのかしら。

今回は海老カレーをオーダーしています。共栄堂さんは、海老・ビーフ・ポーク・チキン・牛タンのベースのカレーソースは一緒なのですが、途中でそれぞれの味ごとにソースを変えているそう。海老は海老味噌も入れて海老らしさを出しているとのことでした。
この日は3代目・宮川泰久氏が自らよそってくれました。プレシャスな時間ですね。

で、盛り付け完成です。海老がプリプリしていて本当に美味しい。独特の苦味のあるソースも好きなんだよなぁ。

ここからは2018年訪問時の様子です。
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カレーの聖地神保町を代表するお店だけあり、看板に格調高さを感じます。
看板横の階段を下りた地下に、共栄堂さんはあります。お昼時は並ぶことも多いので、少し早め到着推奨です。
カレーはクラシカルな銀のグレービーポットに入ってやって来ます。かなりそそりますよねぇ!
こちらが海老カレー、1350円。プリプリの海老に、ややスパイシーなルーが最高の組み合わせです。
そしてビーフカレー。ビーフの重さと辛さのガツンと感最高!
共栄堂さんといえば、このポタージュ。辛さ中和のために付けられているそうですよ
共栄堂さんのカレーは、欧風カレーにも見えるのですが、スパイスの香りがかなり芳醇で、インドやタイのカレーのような「アジアなカレー」の感覚の方が近いです。こういうある種の洋食っぽくないカレーが100年以上も前から愛されているという事実が、日本の老舗の幅の広さを感じさせてくれますよね。ちなみに宮川さんから「うちのカレーは好き嫌いが分かれるんだよね」とおっしゃっていて、唯一無二の味だからこそ、そういった感想を抱かれるのだろうなと思いました。未体験の方がいらしゃれば、ぜひ体感頂きたいです。
———スマトラカレー共栄堂 基本情報———-
〇創業年 1924年創業 (大正13年)
〇営業時間
・11:00 – 20:00
※日曜 定休日
〇住所
東京都千代田区神田神保町1-6
(公式サイト) ⇒スマトラカレー共栄堂 東京神田神保町のカレーライス