福岡市は、那珂川を境に、福岡藩黒田氏の武家町“福岡”と古来からの国際貿易港・商人町の“博多”として永らく栄えてきましたが、明治初年に統合され福岡(当初は福博)となりました。博多地区は今や大企業支社が集積するビジネス街となっています。博多の語源については、“土地博く人・物産多し”説・羽形(大鳥が羽を広げた地形)説・泊潟(外洋船停泊の潟)説等の諸説があります。博多地区にも老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店などが数多く残っています。
1905年創業、ホワイトデーを作り、日本三大銘菓 鶏卵素麺をつくる 石村萬盛堂
博多駅そばに本店(改装休業中)を、また福岡県内に複数店舗を運営する 石村萬盛堂。1905年(明治38年)に石村善太郎氏によって創業された和菓子店です。博多銘菓”鶴乃子”をはじめ、様々なお菓子を製造販売されています。
本店は改装中のため、博多駅併設の博多マイング店へお伺いしました。
こちらがディスプレイの様子。鶴乃子が沢山並んでいたのですが、今日はもう二つある銘菓を購入しました。
購入その1がマシュマロ。なぜ和菓子店でマシュマロなのか、なんですが、石村萬盛堂さんは、このマシュマロで歴史に残るキャンペーンを作ったのです。それが今も続く3月14日のホワイトデー。
石村萬盛堂さんはバレンタインデーのお返しとして、マシュマロを返そう、と3月14日マシュマロデーを発案。それが名を変え、誰もが知るホワイトデーになりました。石村萬盛堂さんのホワイトデーページによると、1978年に生まれたそうですよ(ホワイトデーの起源については諸説あります)。 今回購入したのはチョコ入りでした。何だか懐かしい味がしますね。
もう一つ購入したのが、日本三大銘菓の一つ鶏卵素麺。ちなみに日本三大銘菓は2パターンあり、
・金沢・森八さんの長生殿、新潟・越乃雪本舗大和屋さんの越乃雪、鶏卵素麺(多くの場合は福岡・松屋利右衛門さんの鶏卵素麺を一つとするケースが多い)
or
・金沢・森八さんの長生殿、新潟・越乃雪本舗大和屋さんの越乃雪、松江・風流堂さんの山川
となります。石村萬盛堂さんの鶏卵素麺のパッケージには日本三大銘菓と書かれています。この辺りは解釈の問題ですかね。
と、説明が長くなりましたが、こちらが鶏卵素麺です。卵の黄身部分を沸騰させた蜜の中に流し込んで作るポルトガル由来のお菓子で、こんな感じで素麺のような形状をしています。ですので、鶏卵素麺、という名前になりました。ちなみに、石村萬盛堂さんの銘菓”鶴乃子”は、鶏卵素麺であまった卵白を活用するお菓子として開発されたそうですよ。
本当は切って食べるらしいですが、食べ方が分からず普通の素麺のように持ち上げて食べてましたw。こんな感じで素麺です。味はかなり甘めなカステラっぽい味。触感はポソポソじゃりじゃりしていますが、甘いものを食べたことがない時代の人は、きっとこの甘さ、凄くびっくりしたんだろうなぁ。カステラに似た味がする鶏卵素麺は、カステラと同じく南蛮菓子の一つに数えられています。
石村萬盛堂さん、今回紹介した二つも面白いエピソードがありますが、鶴乃子も有名だし、塩豆大福の元祖でもあるそう。歴史に残るお店ですね。次回訪問時は鶴乃子と元祖塩豆大福を買ってこようと思います。
———石村萬盛堂 基本情報———-
〇創業年 1905年創業 / 明治38年創業
※以下は博多駅マイング店の情報となります。
〇営業時間
・9:00 – 21:00
※無休
〇住所
福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1
(公式サイト)⇒福岡のお土産は和菓子の石村萬盛堂 | マシュマロ 洋菓子 鶴乃子