広島県安芸郡は、江戸時代は広島藩(安芸藩/芸州藩)領の広い地域で、明治から平成にかけて現在の呉市・江田島市等が離脱して今の郡域となっています。海田町(かいたちょう)は安芸郡の中心地として発展し古くは郡役所も置かれ江戸時代は西国街道の宿場町で、現在は陸上自衛隊第13旅団司令部が立地し、マツダ関連工場も多く所在しており、それらに勤務の中国・南米等の外国人も多く居住しています。広島市や呉市のベッドタウンでもある郡内には老舗の食品会社なども存在しています。
1885年創業、マルヒャクのりの愛称で知られる広島海苔株式会社
広島駅からバスで30分ほど、もしくはJR安芸中野駅からバスで10分ほどの少し行きづらい場所に、広島海苔株式会社の直売店があります。広島海苔株式会社さん、通称マルヒャクのりさんの商品は、広島のお土産屋さんであれば、簡単に手に入る定番商品なのですが、今回はせっかくですので、直売所にお伺いしたのです。少し遠くて、たどり着けるのか不安になりつつ伺いましたw。
広島海苔株式会社さんは、名前の通り広島で海苔を販売されている会社さんです。1885年 (明治18年)に、大阪天満で「広島の海苔」を販売する海苔問屋としてスタート。このころから丸百という商標で商売をされていたそうです。
「広島の海苔」、と聞いても、もしかしたらあまり印象がないかもしれません。が、実は広島と海苔の歴史はかなり古く、江戸時代まで遡ることができます。江戸時代、海苔は幕府の専売品でした。その時に幕府が生産を認めていたのが、江戸(あさくさ海苔ですね)と広島だったのです。明治時代には水揚げ量日本一にもなった一大生産地です。
そんな広島の海苔の老舗、広島海苔株式会社さんの直売所の外観です。商標であるマルヒャクの名前も大きく掲示されています。
看板も味があります。この看板は古いものなのかな。
話を広島と海苔の話に戻します。江戸時代に栄えた広島の海苔産業ですが、明治に入ってから始まった干潟の干拓、そして昭和に入ってからの湾岸開発によって、広島での海苔養殖は縮小してしまいました(今も県東部では養殖が行われているそうです)。
そんな広島で盛んになったのが、海苔の加工業。海苔の生産が減少する中で、加工業に移られた方もいらっしゃったそうで、今も海苔加工の会社さんが広島には多数あるんです。江戸で海苔の生産が盛んであった大森地区が、海苔生産が終了した後も、海苔問屋さんとして残っているのに少し似ていますね。
少し話が変わりますが、味付け海苔は日本橋にある山本海苔店で開発されたものです。次いで味付け海苔を生み出したのが、海苔加工業者が多かった広島と言われています。そのためか、広島には今も様々なバリエーションの味付け海苔があるんですよ。
味付け海苔の話に触れたところで、本題に戻ります。こちらが広島海苔株式会社さんのディスプレイ。色んな味付け海苔を販売されています。こちらが看板商品の、かき消費味付けのり。名前からわかる通り牡蠣醤油で味がつけられているんです。中身はこんな感じ。まあ海苔なので見た目に違いはないですねw。
この牡蠣醤油海苔、本当に美味しいんです。ただでさえ美味しい味付け海苔が、牡蠣の風味が付くことで、グレードが2段ぐらい上がります。冒頭に書いた通り、今回は広島海苔株式会社さんの直売所に伺いました。このブログのポリシーとして、本店か1号店に行く、をルールにしているため、ちょっと遠くても出かけたのですね。が、かなり行きづらいですし、バスも30分に1本しかないため、お店でタクシーを呼んで頂き移動する、という、ちょっと変な移動になってしまいました。
マルヒャクさんの海苔自体は広島駅でも、広島空港でも何処でも買えるほど一般的です。ですので、よっぽどの用事がない限りは、買いやすいところで買って頂くのが良いと思いますよ。通販でも簡単に買うことも可能です。
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———広島海苔株式会社 基本情報———-
〇創業年 明治18年 / 1885年創業
※以下は、直売所の情報です※
〇営業時間
9:00~17:30
※土・日・祝 定休日
〇住所
広島県安芸郡海田町国信1-3-54
(公式サイト)⇒広島海苔通販
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