京都府北東部で舞鶴湾(若狭湾南西部の支湾)に面し、青葉山(若狭富士)等の山々が市域に連なる舞鶴(まいづる)市。1901年(明治34年)に東郷平八郎を初代長官とする舞鶴鎮守府が創設され、舞鶴港は重要軍港となり、昭和の終戦後は旧ソ連・中国等からの引揚港として知られました。発祥地の万願寺唐辛子(万願寺甘とう)・舞鶴茶・佐波賀大根・落花生(神崎地区等)・大浦蜜柑・ズワイガニ・丹後とり貝・舞鶴牡蠣・岩牡蠣・舞鶴かまぼこ等の水産練製品等の特産物があり、旧海軍施設の舞鶴赤レンガ倉庫群が観光客を集め、旧海軍由来とされる肉じゃが発祥地を広島県呉市と競っている市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が残っています。
1904年創業の旅館をレストランとして復刻した レストラン松栄館
大門通三条のバス停から徒歩4分、東舞鶴駅から徒歩15分ほどの場所にある レストラン松栄館。1904年(明治37年)に創業した旅館・松栄館の別館であった場所をリニューアルして作られたレストランです。レストランとしては2018年オープンと歴史は短いのですが、東郷平八郎氏が使っていたお部屋が残っていたり、海軍メニューを出されていたりと歴史と紐付きが強いお店であるため、ご紹介することとしました。
という松栄館さんの入り口。ザ・和の風景って感じで超素敵。
門から入って見える外観はこんな感じ。松栄館さんは、「海賊と呼ばれた男」や「日本のいちばん長い日」のロケ地としても使われています。
こんな感じの入り口を入ってお店に伺います。めっちゃカッコ良い。
こんな感じのメニューがオーダーできます。レストラン松栄館では、旧日本海軍が編成した料理の教科書・海軍割烹術参考書を元にした洋食メニューが中心に提供されます。
今回はツアーで伺ったので、特別コースのような体裁でした。いやー、楽しみですね。
最初に出てきたのは、いさざ空揚げ。舞鶴ではしろうおのことをいさざと呼び、春の風物詩として知られています。今回のような空揚げや、そのまま踊り食いにするのがポピュラーだそう。空揚げ、サクサクしてて美味しかったです。
そして牛蒡のポタージュ。牛蒡って洋食になるのね。
そして肉じゃがが入場します。肉じゃがの発祥は諸説ありますが、舞鶴市と広島の呉市が発祥を争ったり(争ったふりをしたり)しています。ごま油が入っており、一般的な肉じゃがより香ばしいのが特徴的でした。美味しかった!
(呉では1921年創業のいせ屋さんで肉じゃが食べてます)
天然鰤魚田が入場します。魚の田楽で魚田です。白味噌で作られているからか、西京焼きに近い味がします。
続いてビーフシチュー。肉じゃがの説の一つに「日本に帰国した東郷平八郎が、ビーフシチューを作らせようとして生まれたのが肉じゃが」説があり、それもあってビーフシチューも出されているのかと思います(ちなみに東郷帰国時に既にビーフシチューは日本に存在していることから、ビーフシチューから肉じゃが説は都市伝説とする考えもあります)。
蓋を開けるとこんな感じ。暗くて見づらいですが、でっかい牛肉が入っていて美味しかった!
カレイライスの食べ比べセットがこちら。左が明治のレシピ、右が現代風にアレンジしたレシピです。
こっちが明治レシピ。味付けが複雑でない分、スパイスの味が感じられ、個人的な好みに近かったです。美味しい! こちらが現在風アレンジカレー。美味しいけど、特徴は薄いかな。好みの問題ですけれど。 ラストがアップルパイとアイスクリームでした。いやー、美味しかった! ご飯は1Fで食べたのですが、食べた後に2Fのお部屋を見学させて頂きました。東郷氏が実際に使っていたお部屋、東郷氏の掛け軸等、貴重なものが沢山あります。こちらが東郷氏が使っていたお部屋。他の部屋と独立していて、プライバシーが確保されていました。こちらは別のお部屋。窓側から隣のお部屋に移動も可能です(上述の東郷氏のお部屋だけは繋がっていない)。他の部屋はこんな感じ。複数名なら予約するとこちらでのお食事も可能だそう。今度は2Fでご飯食べたいなぁ。
松栄館さんは、海軍が使っていた当時のお部屋が残っている上、その頃のレシピをできる限り再現したメニューが食べれたりと個人的にはかなり興奮ポイントが多かったです。海軍割烹術参考書はお土産として購入し、へーこんなメニューあったのね、とか、これ食べてみたいなぁというメニューに出会い大変満足しております。今度は予約して2階でご飯食べてみたい!
——–レストラン松栄館 基本情報———-
〇創業年 1904年 / 明治37年創業にルーツ
〇営業時間
・11:30~14:30(L.O 14:00)
・17:30~21:30(L.O 21:00)
※年中無休
〇住所
京都府舞鶴市字浜18
(公式サイト)⇒ 【公式】レストラン松栄館 | 京都府舞鶴市の洋食レストラン海軍から始まった洋食を再現
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