日本一うすい和菓子、正観寺丸宝の松風 / 熊本 菊池市 1897年創業 (明治30年)

熊本県北部の菊池市は、清冽な菊池川源流の菊池渓谷や菊池温泉で知られ1958年(昭和33年)発足の旧・菊池市(旧・菊池町)が2005年(平成17年)に2町1村と合併して現市となりました。7世紀後半に築かれた鞠智(くくち)城や平安期の文献の久々知(くくち)表記から転訛して“きくち”となったとされ、“くくち”の意味には潜地・含地(柵に囲まれた地)等の諸説があります。市内には銘菓(松風・落雁・柚餅子等)などの和洋菓子店が多数あり、菊池アイス(各種アイスクリーム)が名物で、老舗の和洋菓子店・食品店などが残っています。

1897年創業、日本一うすい和菓子を松風を製造・販売する 正観寺丸宝

温泉前のバス停から徒歩2分ほど、肥後大津駅から車で20分強の場所にある 正観寺丸宝。1897年(明治30年)に、休業していた「野口商店」を、初代 野口カネ氏が復活創業したことで、その歴史が始まりました。丸宝の屋号は2代目の方の時代から使われているとのことです。創業当時から作られている松風で知られています。「松風」は京都で南朝天皇家の警護に当たっていた南北朝時代の豪族、菊池一族が持ち帰った京文化のひとつとも言われています。

という、正観寺丸宝さんの松風。包装紙がカッコ良い。 中を開けるとこんな感じで、小分けした松風が現れます。

中を開けるとぎっしり。 一枚取り出した図。厚みは1.2ミリとされ、ウェブサイトには日本一うすい和菓子とうたわれています。 パンフレットも入っていました。松風は小麦粉・甜菜糖(てんさいとう)・卵・芥子(けし)の実を使って作られています。名前の由来は飾り気のないお菓子の裏側が”裏寂しい”ことから、昔の人の言葉で『浦は寂しい松風の音』(松葉の裏を吹き抜ける「ヒュー」という音の比喩)とかけて命名されたとも言われています。

松風と呼ばれるお菓子には、京都に残っているカステラのような形状の味噌松風と、今回ご紹介の薄いお煎餅のような形状と2種類あります。丸宝さんのウェブサイトによると、京都から菊池市にやってきた際に九州人の味覚に合うように変化したのではないか、とのことでした。以前ご紹介した1720年創業、岐阜市の長崎屋本店さんには、カステラ風の味噌松風、薄手のお菓子の松風両方扱われているので、伝来や誕生の秘話は色々とありそうですね。この辺りは深掘ると面白いのだろうなぁ。

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———松風本家 正観寺丸宝 基本情報———-
〇創業年 1897年創業 / 明治30年創業
〇営業時間
・ 8:00~18:00
※日曜日 定休日
〇住所
熊本県菊池市隈府1097-2
(公式サイト)⇒日本一薄い和菓子。熊本名物・菊池銘菓「松風」|松風本家 正観寺丸宝

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