佐賀県中央部の小城(おぎ)市は、県庁所在地の佐賀市に隣接し南部は有明海に面しています。地名は土蜘蛛(つちぐも、上古の反朝廷土豪)防御用の堡(おき、砦)に由来するとされています。小城町旧市街地は小京都と称され、小城公園内の二代藩主造営庭園(自楽園)や清水川上流の清水の滝等の名所・旧跡があります。江戸時代に砂糖が長崎街道経由(通称シュガーロード)で豊富に流通したため県内各所で製菓業が盛んで、小城羊羹が全国に知られています。名水に育まれた鯉の料理・牛津の蒲鉾・炭酸飲料・丸ぼうろ等の特産品・名物があり、市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が多数残っています。
1899年創業、小城羊羹の名付け親 村岡総本舗
上町のバス停から徒歩1分ほど、小城駅から徒歩23分ほどの場所にある 村岡総本舗本店。1899年(明治32年)に、長崎の羊羹職人陣内啄一氏から羊羹作りの技術と道具一式を譲り受けた、村岡クニ氏と長男安吉氏が羊羹作りを始めたことが創業となります。創世記に大八車で運搬する羊羹を入れる木箱に「小城羊羹」の名を入れたのが、安吉氏だとされ小城羊羹の名付け親と呼ばれています。太平洋戦争中は、東京の虎屋さんと村岡総本舗さんの2社のみが海軍に羊羹を納めており、当時から日本を代表する羊羹店として知られていました。
という、村岡総本舗さんの本店です。今回の小城訪問の目的の1つでした。
店頭にはこんなポスターが。小城に羊羹が根付いたのは、シュガーロード沿いにあり砂糖が入りやすい環境だったからも大きな要素です。
店内に入りました。こちらは羊羹のコーナーです。大小さまざまサイズと豊富なバリエーションに圧倒されます。
パッケージには小さな羊の絵が載っているそう。羊羹はもともと羊のあつもの=羊のスープだった、という伝承から、羊のパッケージにされています。
近年は羊羹を活かしたお菓子や、洋風のお菓子も複数作られています。このケイジャーダ美味しそうよね。
ここ数年のビッグヒットといえば、このシベリアです。が・・・・、なんと売り切れ。残念ですが仕方ない。
時系列を無視して書くと、シベリアは別店舗でゲットできました。村岡総本舗さんは、もう少し小城駅よりにもう1店舗あるのです。いやー、よかった!
で、話を本店に戻します。本店の横には羊羹資料館があるのです。
こんな看板が立っています。
説明書きには、この羊羹資料館はもともと砂糖の貯蔵庫だったそう。羊羹に砂糖は必須ですものね。
資料館に入ります。まずはお茶と羊羹で出迎えてくれます。なんだこの最高のおもてなしw。
まずは1Fでビデオを見て、羊羹と村岡総本店さん、そして小城のことを勉強します。
そして2Fに上がると展示スペースとなります。階段の途中にはようかん購入額データが。小城市がある佐賀県と、冬に水羊羹を食べる福井県の2県が羊羹大国って感じのデータですね。
こちらも階段横スペース。羊羹の年表が書かれています。スタートは紀元前202年。すごい話だ。
そして展示スペースへ。こちらは包み紙の変遷ですね。
村岡総本舗さんの歴史が説明されています。
大正11年の新工場の話です。この頃から需要が増加されていたのですね。
鉄道開通100年記念羊羹のお話も。このパッケージ、今や高額になっていそうですね。
別のスペースには、使われている小豆の展示も。商品種別毎に使われている小豆が違います。
道具も展示されていました。道具の解説があるのも嬉しいですね。
包み紙は鍋島更紗という模様なのだそう。なんだか西洋っぽい印象も受けますね。
と、資料館の話が長くなりましたが購入した商品です。その1がケイジャーダです。ケイジャーダはポルトガルから伝来したチーズタルト的なお菓子です。
中身はこんな感じです。濃厚なチーズの甘みがとても美味しい。これはハマるなぁ。
そして大ヒット商品シベリアです。なんと言っても箱が可愛い。
蓋を開けるとこんな感じです。2つ入っております。
1つ取り出した図です。フォントも色使いも、レトロを意識させる秀逸なパッケージです。
中身はこんな感じ。シベリア=カステラの羊羹サンドみたいなお菓子です。最近のレトロブームで扱い店が増えてきている印象ありますよね。カステラは長崎、羊羹は佐賀と2大産地がありながら九州ではほぼシベリアが売っていないそうで、村岡総本舗さんが開発した、という経緯があります。
ケイジャーダもシベリアも、レトロブームど真ん中をいけるとても素敵なデザインで、味も昔ながらを感じさせつつもしっかりモダンな味になっているのが、流石!って感じでした。美味しいし可愛いから、お土産にも使いたくなっちゃいますよね。ちなみにシベリアは丸シベリア・三角シベリアとさらに可愛いタイプも予約限定で販売中です。いつか買いたい!
↓楽天だと村岡総本舗さんの本練の羊羹が購入できますよ。
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——–村岡総本舗 基本情報———-
〇創業年 1899年創業 / 明治32年創業
〇営業時間
・9:00-17:00
※無休
〇住所
佐賀県小城市小城町861
(公式サイト)⇒ 創業明治32年(1899年) 小城羊羹初祖 村岡総本舗