三色の美しいフォトジェニック団子 言問団子 / 東京 向島 慶応年間 (1865~1868年)創業

浅草の墨田川を挟んだ川向にある向島。桜の名所としても知られ、自然豊かな向島は、大名の下屋敷町が立ち並び、花街の起源の町でもあります。そんな向島にある、「向島三大和菓子処」とも呼ばれる和菓子屋さんの一つへ伺ってきました。

慶応年間創業 (1865~1868年)、3色の美しいお団子を販売する言問団子

浅草エリアから、桜橋を墨田区側へ渡った先にある向島。この向島にある言問団子さんは、浅草から約15分、スカイツリー駅からも約12分と、ウォーキングにちょうど良い距離にあります。創業は慶応年間(1865~1868年)で、元々大名屋敷で庭師をされていた、外山佐吉さんが、「植佐のお店」として茶屋を開いたことに遡ります。幕末の動乱から、庭師の仕事が減ったことがお茶屋となるきっかけだったのだとか(外山新吉さんインタビューより)。

こちらが店舗外観。入り口が複数あり入り方に悩みました(どこから入ってもお迎え頂けますw)。少し離れたエリアにあるからか、自転車で颯爽とお店にやってくる方が多いのが印象的でした。

言問団子さんの名物といえば、店名でもある「言問団子」。こちらの3色の奇麗なお団子で、小豆餡(黒)・白餡(白)・味噌餡(黄色・青梅と呼び名。くちなしの実で色付けしています)の3つがセットになっています。この3つをセットに、1皿なのか2皿なのかを頼むシステムです。

少し寄りで。色が美しく惚れ惚れしますね。
この言問団子ですが、名前が付けられたのは明治時代のこと。古今和歌集に収められている在原業平の和歌「名にし負はばいざ言問はん都鳥我が思ふ人はありやなしやと」から取られたそう。

言問団子さんは、本店で頂くのが初めてだったのですが、場所と天気も相まって、いつも以上に美味しく頂きました。それにしても写真で見ても奇麗なこの3色のお団子が、江戸時代からあるなんて驚きですね。
言問団子さんは、その長い歴史の中で、幸田露伴、野口雨情、竹久夢二等にも愛されたことが知られています。もう少し現代に近いところでいえば、池波正太郎さんも好きだったようで、氏の小説「鬼平犯科帳」にも言問団子は登場しているそう。が、その時代にはまだ言問団子はなかったそうですw。これも池波正太郎さんの愛でしょうか。
ちなみに岸朝子さんの、東京5つ星の手土産の掲載店でもありますよ。

冒頭で書いた「向島三大和菓子処」とは、1717年創業の長命寺桜もちさん、慶応年間創業の言問団子さん、そして1869年創業の志”満ん草餅さんを指します。3店舗共に特徴があって、向島へ行く際は、何処に行くか悩んでしまいそうです。個人的には、長命寺桜もちと言問団子の両店でイートイン、そして志”満ん草餅をお土産に、が一番良いコースだと思います。若干の食べ過ぎ感はありますけれどw。

———言問団子 基本情報———-
〇創業年 慶応年間 (1865年~1868年)創業
〇営業時間
9:00~18:00
※火曜日 定休日
〇住所
東京都墨田区向島5-5-22
(公式サイト)⇒向島 言問団子

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