広島県南東部の府中（ふちゅう）市は、1954年（昭和29年）の芦品（あしな）郡府中町及び5村合併で発足し、昭和中期・後期2回の同郡・御調（みつぎ）郡諸村等編入と2004年（平成16年）の甲奴（こうぬ）郡上下町（じょうげちょう）編入とで現市域となりました。江戸時代は現市域で旧御調郡を除く地域は備後福山藩領となり、旧甲奴郡分は天領となって石見銀山に向かう石州街道宿場町の上下には幕府の陣屋が置かれ栄えました。府中の地名はかつて備後国の国府所在地だったとの説が由来とされます。明治～大正期に煙草製造業（平成中期終了）・織物製造業・染料工業（福山市に移転）や江戸時代からの家具製造業が興隆しました。石州街道出口通りや上下地域の街並み・日本一の石灯籠（府中町）・世界一吊橋の夢吊橋（右岸は諸毛町）・元老舗旅館の恋しき（建物・庭園等、府中町）等で知られています。府中家具（府中箪笥等）・備後絣・衣料（ユニフォーム等）・竹炭・諸田牛蒡・府中味噌・銘菓（味噌饅頭・恋しき饅頭・各種棹物・西村屋どら焼き・タンス最中・洋酒ケーキ等）・麺類・鮎甘露煮・備後府中焼き（挽肉・キャベツ・麺・卵のお好み焼き）等の特産品・名物・郷土食があり、市内には老舗の料理店・飲食店・和菓子店・洋菓子店・醸造所（味噌）・食品店・食品小売店・旅館などが残っています。