宮鍵のひつまぶしに唸る / 愛知 名古屋駅・中村区 1899年創業 (明治32年)

JR名古屋駅西口方面の名古屋市中村区は、大正初期までは田畑が広がっていましたが、大門界隈には大正末期から1958年(昭和33年)までは大須(名古屋市中区)から移転した遊郭(中村遊郭)もありました。一方、駅周辺は戦前から栄えた商工業地域で、西区にまたがる名駅地区は栄地区と並ぶ繁華街・ビジネス街となっており、ジェイアール名古屋タカシマヤ・名鉄百貨店等の複数の百貨店が立地し、近年は超高層ビル化などの再開発が進んでいます。下町風情の古い街並みが残る中に老舗の飲食店も複数存続しています。

1899年創業、創業時から鰻とかしわ(鶏)を提供し続けている 宮鍵

名古屋駅から徒歩15分程度、伏見駅から8分程度の場所にある 宮鍵。1899年(明治32年)に、堀川沿いにあった得月楼さんで修行された初代の方が、うなぎ料理の暖簾分けで創業されたお店です。「宮鍵」という名前は、熱田の宮の出の鍵次郎さんのお店の意味だそうですよ(歴史については、こちらのインタビューで色々語っていらっしゃいます)。

宮鍵さんは、創業当時からウナギだけでなく、かしわ(鶏)も扱っていらっしゃいます。それは、当時夏場にしか出ないウナギの対応策として、冬場に提供できる食べ物として、かしわが始まったそうですよ。

こちらが店舗外観。ビルに改装されていますが、老舗ながらの雰囲気にあふれたお店です。 ちょっと見づらいですが、メニューはこんな感じです。鶏とウナギの競演です。鶏料理は相対的にリーズナブルです。
まずはうまきから頂きました。甘じょっぱさが最高! そして来ました。ひつまぶしです。丼の迫力が伝えられないのが残念です…。少し寄り目で。ひつまぶし用のうなぎは、蒸し工程の入っていないパリッとタイプ。 こちらが肝吸い。カイワレ入りは結構珍しいかも。 ひつまぶし、ですので、3種類の食べ方で楽しめます。
・そのまま
・薬味付き
・お茶漬け、です。

当然最初はそのまま頂きます。カリッとしてて美味い! そして薬味のせ。味がはっきりと立つ葱にも負けない、芯の通ったウナギです。 ちょっと角度が悪いですが、最後お茶漬け。ウナギのタレのおいしさも、余さず食べられるような感覚があって、大好きです!宮鍵さんは、芸能界・文芸界にもファンが多いそうで、王貞治さんの色紙も飾られていました。池波正太郎さんも宮鍵さんのファンだったそうですよ。

 

久し振りのカリッと系ウナギを食べましたが、フワッと系とはまた違う美味しさがあって良いですね。私自身はこういうカリッとウナギで育ったので、懐かしい気持ちになって食べられました。また名古屋へ行く際に食べに行きたいです。

 

———宮鍵 基本情報———-
〇創業年 明治32年創業 / 1899年創業
〇営業時間
11:30~14:00(L.O)
17:00~21:00(L.O)
※土曜日、年末年始、お盆期間 定休日
〇住所
愛知県名古屋市中村区名駅南1-2-13
(食べログ)⇒ 宮鍵 (みやかぎ)伏見/うなぎ [食べログ]

2件のコメント

  1. ・私は呑兵衛なので、当店では鰻はう巻き位で焼き鳥や鳥の山葵和えなどを戴く事が多かったです。嘗て長期仕事で名古屋を本拠に尾張三河を廻っていた頃の夜は、大甚本店か宮鍵から錦の古いバーに向かう事が多くて、時折はスタートが栄のいば昇本店か錦のいば昇か栄の夜来香(此処は昭和の創業ですが)か改築前の御園座地下に在った既に閉店したおでん屋等になる過ごし方でした。
    ・堀川も今は綺麗になりましたが、昔の納屋橋や畔に在った頼山陽命名の得月楼はどんな風情だったことやら。得月楼と云えば宴土産の味醂奈良漬などの漬物で知られていたそうで、今や、それを継承している愛知県蟹江町本拠の銀座の若菜(戦後の創業ですが)の奈良漬けでその俤が偲べるのみです。若菜の本家である蟹江町の酒蔵が味醂粕を得月楼に卸していた縁だそうです。

    1. 名古屋まで詳しいのですね。凄い…。
      私は18までしかいなかったので、宮鍵さんも、大甚本店、いば昇さんもここ数年で知りました。
      納屋橋といえば、CMで納屋橋饅頭を知っている、レベルなので勉強しなおします。

      得月楼さんと若菜さんのことは、こちらのブログに書かれていました。
      全然知らないことばかりで、本当に勉強になります。ありがとうございます!
      http://finecity-ngy.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-8e5f.html

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