山形県米沢市は、県内4地域の内の置賜(おきたま)地域の中心地です。室町時代初期から戦国時代には伊達氏が領有し、伊達政宗は米沢城で生誕し、関ケ原の戦い後に移転して仙台藩を興しています。江戸時代の米沢は上杉氏の城下町として栄えました。市内には上杉神社・上杉家廟所・松が岬公園(米沢城址)・市上杉博物館(伝国の杜)等の上杉氏ゆかりの寺社・旧跡・施設が多数あり、天元台高原・栗子国際等のスキー場や米沢温泉郷などの観光・レク施設も豊富です。江戸時代から米沢織(米織)・米沢紬等の繊維産業が盛んで、味噌・清酒や、舘山林檎(Apple、ふじ等) ・米沢牛(Beef、主産地は隣接の飯豊町) ・米沢鯉(Carp) の“米沢のABC”と名付けられた特産品で知られています。市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が多数残っています。
1712年創業、現存する唯一の 米沢藩御用掛込蕎麦屋 粉名屋小太郎
米沢駅から車で10分ほど、歩くと30分ほどの場所にある 粉名屋小太郎。1712年(正徳2年)に粉名屋小太郎さんにより創業された温飩屋(今の蕎麦屋)です。米沢藩では、温飩屋を免許制としていて、当時23軒に許可を出したそうですが、現存するのは粉名屋小太郎さんのみ、とのこと。
という粉名屋小太郎の外観はこちら。3月末、まだ雪がちらつく時に伺いました。お店の外には歴史を説明する看板もありました。米沢藩御用掛込蕎麦である粉名屋小太郎さんは、御役御免(税金免除)であり、戦場には藩の兵糧方として出陣する、という役割をおっていたそう。
外にはメニューも掲載されていました。名物は真ん中に掲載されている”割子そば”。今回は5段 1800円をオーダーしました。 どーん、こんな感じです。真上から撮ったので高さが見えませんが、お蕎麦、薬味それぞれ5段重ねです。 食べ方の説明がありました。お蕎麦は蕎麦の上に直接薬味とそばつゆを掛けて食べます。 一番上は鰊付き。薬味毎にアクセントがあって美味しい!
他の薬味としては、マグロや、 海老の天ぷら、
トロロ、 なめこ、などなど。どれも美味しい! 海老天とネギを載せた図。何か好きな蕎麦を全部食べられる感じがあって凄くいい!
5段の蕎麦を5種類の薬味で食べられる、とか、蕎麦好きには堪らないですね。この食べ方素敵だなぁ。
粉名屋小太郎さん、凄く歴史ある建物で、「高級蕎麦屋さん」といった外観なのですが、昭和39年まではラーメン等を扱う大衆食堂で、出前の対応も行っていたのだとか。その形態から蕎麦専門店へと絞りこみを行い、割子そばの大ヒットもあり、今のお店があるそうです。得意領域への絞り込みとヒットメニューの創出、老舗の生き残り方の教科書みたいなお店ですね。
———米沢藩御用掛込蕎麦 粉名屋小太郎 基本情報———-
〇創業年 1712年創業 / 正徳2年創業
〇営業時間
11:30~19:30
※月曜日 定休日
〇住所
山形県米沢市中央5-3-19
(公式サイト)⇒粉名屋小太郎
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