広島県は、かつては安芸国（あきのくに、広島市等の概ね県西部）と備後国（びんごのくに、福山市等の概ね県東部）で、江戸時代は主に安芸と備後半分の広島藩（安芸藩／芸州藩）と備後南部の福山藩でした。広島（戦前までは廣島／廣嶋）の地名は、1589年（天正17年）に戦国大名の毛利輝元が、太田川河口に点在した中州（島）で最も広い島（実際には2番目）に築城（広島城）して命名したとされていますが、広大・末広など良縁起の“広”と城の普請奉行・福島元長の“島”からとも言われています。江戸期にはたたら製鉄による有数の鉄産出地で、明治以降は永らく旧陸海軍基地と多くの軍需施設が置かれ、戦後は自動車産業・造船・鉄鋼業等を中心に瀬戸内工業地域の中核を担っています。瀬戸内海に約140の島嶼を擁し、国宝・厳島神社（安芸の宮島、廿日市市）と原爆ドーム（広島市）との世界遺産2件や鞆の浦（福山市）・広島城（広島市）等の多くの自然景観・名所旧跡には国内外からの観光客を集めています。熊野筆・川尻筆・宮島細工・広島仏壇・福山畳表等の伝統工芸・特産品や牡蠣の養殖・西条の酒造で全国に知られ、牡蠣の料理や加工品・広島菜漬・広島焼・ソース・もみじ饅頭等の郷土料理・名物も多く、県内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店などが多数点在しています。