1610年(慶長15年)に築城された名古屋城に清州から尾張地方の中枢が移り、その2年後に美濃国(現・岐阜県羽島)の大須観音(真福寺寶生院)が移転し、周辺には多数の寺社が集められ、商店・宿屋・芝居小屋も多く開かれてた名古屋市中区の大須。門前町・盛り場として栄え、幕末以降は大正末期に中村遊郭(現・中村区大門)に移転するまで遊郭もあり、大正初年から昭和の戦前までは劇場・映画館・演芸場等が林立して賑わいました。かつては繊維街でもありましたが、1975年(昭和50年)頃からは電気街として栄え、やがて電脳街・サブカル街として若者が集うようになりました。今は大須観音等の寺町の中に、多様な飲食店・カフェ・衣料品店等も建ち並ぶ活気ある商店街として、老若男女で賑わい市内屈指の観光地となっていて、老舗の飲食店・和菓子店・食品店が多数残っています。
1900年創業、大須の地で100年以上営業を続ける 山中羊羹舗
上前津駅駅から徒歩4分ほど、大須観音駅から徒歩10分ほどの場所にある 山中羊羹舗。1900年(明治33年)に、大須で創業された、大須の地で100年以上営業されている老舗和菓子店です。こちらのお店は同じ大須商店街の大正中期創業の昆布店 志那河屋さんから、「この辺りだと、山中羊羹さんのが一番うまい」とご紹介を受けやってきました。
という、山中羊羹舗さんの外観がこちら。入り口はコンパクトですが、奥には喫茶室も併設している、縦に長い店舗です。
暑い季節に伺ったので、水まんじゅう等の夏っぽいメニューが店頭に並べられていました。
今回のお目当ては”ういろう”。志那河屋さんから、「保存料とか使ってないから日持ちしないけど、凄く美味しい」と説明を受けていたんです。ういろう、うまそうだ。 ういろうをアップで。美味しそう、だけどネックなのは「3日しか日持ちしない」ということ。全種類食べたいけれど、3日でこれ全部は無理があるぞ…。 どうしようか、と悩んでいたらお店の方に、「ミニサイズもありますよ」と教えて頂きました。僕が求めていたのはこれだ!!!
ということで、全種類買ってきました。こちらが白ういろうのパッケージ。
こちらが中身です。これ、私の凄い古い記憶にあるういろうだ。もっちりしていて、ほんのり甘くってくどさが一切ない。やばい、涙出そうなぐらい美味しい…。
そしてこちらが黒ういろうのパッケージ。 黒ういろう、という名の通り、黒色です。白より甘みがやや強いけれど、とはいえ昔ながらのじんわり来る甘さ。懐かしい感じがして凄く美味しい。 最後が抹茶ういろうのパッケージ。 抹茶なので緑です。抹茶の苦みがちょうどよくって、御菓子としての完成度が高い。ういろうって美味しすぎないか!?
ういろうは、名古屋生まれの私にとっては故郷の味の一つだったのですが、いつのころからか、あまり食べなくなりました。たぶん、あまり美味しくないものを食べてしまったのだと思います(最近はちょこちょこ食べてますが)。
今回山中羊羹舗さんのういろうを食べて、昔ながらのういろうの美味しさに再会し、ただただ感激しました。ちゃんと作ったういろうってこんなに美味しいのね。ういろうちょっと苦手かも、という人にこそ食べてもらいたいです!!
——-山中羊羹舗 基本情報———-
〇創業年 1900年創業 / 明治33年創業
〇営業時間
10:00~19:00(喫茶店は12:00~18:30)
※木曜日 定休日 (祝日、8月は営業)
〇住所
愛知県名古屋市中区大須3-31-7
(公式サイト)⇒ 山中羊羹舗