秋田県南部の湯沢市は、県(旧・羽後国)の南出入口として発展し、1954年(昭和29年)に湯沢町と1町4村とが合併して発足した旧・湯沢市が2005年(平成17年)に2町1村と合併して現市となりました。地名由来には戦いの落武者達がぬるま湯で身体を癒した地を“湯ノ原”と称し、湯の出る原から湯の流れる沢“湯沢”となったとの説や“湯ノ原”と“松沢”との合成地名説等の複数説があります。稲庭うどん・清酒(美酒爛漫・両関等)・味噌・醤油・漬物(いぶりがっこ等)・果物(さくらんぼ・林檎・葡萄等)・栗駒高原牛乳や乳製品・三梨牛等の特産物があり、市内には老舗の飲食店・和菓子店・醸造会社・食品店などが残っています。
1867年創業、カフェ・ギャラリー等・醸造蔵の可能性を広げる 高茂合名会社
岩崎のバス停から徒歩6分ほど、下湯沢駅から徒歩15分ほどの場所にある 高茂合名会社。ヤマモ味噌醤油醸造元という屋号で、醤油・味噌を販売されている、1867年(慶応3年)に創業した、味噌・醤油製造をメインとした企業です。ヤマモさんは、カフェやギャラリーを併設する超モダンな老舗店さんなのですが、下調べなくお伺いしたため、すごくビックリしました。
という、ヤマモさんの駐車場の看板です。その前に寄った蕗月堂の社長さんに、「そっちのほうのスーパー行くから載せってってあげるよ」と連れてきてもらいました。秋田の人優しくって大好き。この看板見たときに、お、英語の看板だ、と驚いたことを覚えています。
こちら店舗外観です。過去訪問した醤油蔵の中で一番カッコ良い場所でした。
入ると商品が出迎えてくれます。海外にも通じる様なデザインとなっていて、凄くカッコ良い。ジャケ買いしたくなるボトルです。
ボトルをアップで。後でさらによりの写真もお見せしますが、基本は英語で書かれています。
こちらはお味噌のパッケージです。ALL NATURAL SERIESとあるように添加物等は入っていません。
商品販売スペースの横はカフェスペースになっているのですが、奥と2Fがギャラリースペースとなっていました。私の知っている醤油蔵じゃない…。
光の入れ方がとても綺麗で、凄く絵になる。
囲炉裏のお部屋もありました。
2Fのギャラリースペースも見させて頂きました。ギャラリー名はI.L.A. = Industry Loves Artといい、「産業は芸術に恋をする」という意味合いなのだそう。
現在会期中でないので、お部屋を見せて頂いたのみですが、本当に雰囲気があって素敵です。
今度はアート展示されている時に、来てみたいなぁ。
お部屋1つ1つがアーティスティックですよね。
アートの考え方や7代目ご主人の紹介が書かれていました。
こちらは、麹で書かれた絵なのだそう。前衛的ですね。
2Fの奥にもアートが掲示されていました。一般的な美術館と違って、空気の流れが独特で凄く面白い場所でした。
1Fに戻ります。こちらが販売場所、カフェスペースを逆から移した図。
こちらがカフェスペース。これが醤油蔵とか絶対思わないですよね。カフェとしてみてもオシャレ度がめちゃくちゃ高い。
こちらはお庭です。専門のお庭師さんに手入れしていただいてるのだそう。
GOOD DESIGN賞はじめ、各種表彰状も飾られていました。
こちらカフェメニューです。お食事利用、喫茶利用、どちらも可能です。
今回は、SOY GELATO with VIAMVER®︎ SALTという、醤油ジェラート&ヤマモさんの特許申請微生物Viamver酵母で作った塩をそえたアイスを購入しました。
一般的な醤油アイスって、「せっかくなのでウチで作った醤油を入れてみました」的なものが多いと思うのですが、ヤマモさんのはアイスを美味しくするために醤油を使われていて、高いクオリティで商品化されていてビックリしました。オリーブソース掛けも、まろやかになって美味しかった!
上述したヤマモさんが特許申請したViamver酵母はアルコールを生成することから、Wine造りも手がけられています。新潟のDomaine Chaudさんで造られているそうですよ。ASTRONOMICAというプロジェクト名になります。PROSLOGIONが商品名になるのかな。
酒造免許がないためボトル販売はされていないのですが(22年7月現在)、グラス単位で販売されています。せっかくなので1杯いただきました。ワインを飲み慣れていないため適切でないかもしれませんが、どこか和を感じる優しいフレーバーでした。
お味噌、お醤油はどれにしようか悩んでいたところ、テイスティングのセットが出てきました。優しい…!
味見をさせて頂き、今回はAJIJIMAN(あじ自慢)という、めんつゆを購入しました。
このラベル、ワインみたいでカッコ良いですよね。
原材料等は日英併記となります。
優しい甘さと醤油の旨味がとてもバランスのよいめんつゆでした。常用しそう。
ヤマモさん、下調べなくお伺いしたため、訪問して本当に驚きました。1つ1つ丁寧にデザインされた商品群、蔵の特性を活かした独特の空気感があるギャラリー、素敵なデザイン空間であるカフェ等々、他では得難い体験でした。公共交通機関だとアクセスがあまりよろしくないのですが、近くに行くならばぜひ体感すべきスポットなのでは、と思います。またゆっくりとお話もお伺いしたい!
———-高茂合名会社 (ヤマモ味噌醤油醸造元) 基本情報———-
〇創業年 1867年創業/ 慶応3年創業
〇営業時間
・11:00-17:00
※不定休
〇住所
秋田県湯沢市岩崎岩崎124
(公式サイト)⇒ HOME | YAMAMO / TAKAMO & Corp.