日本最古の寿司屋・つるべすし 弥助は体験含めて最高だ / 奈良 吉野郡下市町 文治年間(1185年 – 1189年)創業

奈良県の中部から南部にかけての吉野郡は、現在は吉野町・大淀町・下市町・黒滝村・天川村・野迫川村・十津川村・下北山村・上北山村・川上村・東吉野村の3町8村から成っています。県南部の下市町は平安時代から吉野の入口であり、下市札(日本初の商業手形)の発行など商業地として栄えました。林業や吉野杉箸・三宝・銘木(磨き丸太)製造等の木工業が盛んで、柿・梅・蒟蒻等が特産品・名物です。郡内には様々な老舗店が残っています。

文治年間創業、歌舞伎の舞台となった日本最古の寿司屋 つるべすし 弥助

下市口駅から徒歩15分ほど、奈良駅から車で1時間前後の場所にある つるべすし 弥助。詳しい創業はわからないそうですが、文治年間(1185年 – 1189年)には、その存在が確認されており、日本最古の寿司屋として知られています。つるべすし 弥助さんのある吉野には、平家の落人の伝説が残っており、そのお話がモチーフとなった人形浄瑠璃・歌舞伎の演目・義経千本桜がありますが、その舞台となったのがつるべすし 弥助さんとなります。

という、つるべすし弥助さんの外観。もう物語の1シーンかのような、超素敵な外観です。感動する…! もう少し引きでの1枚。建物自体は昭和初期に建てられたものです。ご主人曰く、吉野が舞台となった天誅組の変等もあり、何度も壊され再建されているそうです。 こちら駐車場の裏手です。ここの建物もお店の一部で、今回はこちらでご飯を頂きました。

入り口から入ると、玄関が見えます。いやー、風情がありますね。
玄関をアップで。写真見るだけで再び感動できる。最高っす。 玄関の左側には「維盛の旧跡」と書いてある石碑が。平維盛に由来しているそうです。

お店に入ってすぐ場所には店主の方のご挨拶が。こちらは先代のご主人・48代目の宅田弥助氏のご挨拶が載っておりました。

店内に入りました。もう、雰囲気が最高すぎます。

お食事前に店舗を色々回らせてもらいました。

この扇風機含めて素敵ですよねぇ。

このお部屋は大人数用のよう。

逆サイドの廊下です。素敵なお庭が見えます。

正面からだとこんな感じ。この風景好きだなぁ。

ちょっとワイルドですが、和を感じますよね。

義経千本桜をあしらったポスター的なものも飾られていました。

役者さんの顔をアップで。義経千本桜の弥左衛門が首を鮓桶に入れたシーンです。

ということで、お部屋です。もう美味しいのが期待できるワクワク感がありますよね。

こちらから見るお庭もまた素敵…!

もう一枚お庭。私、雰囲気が素敵すぎて。
お部屋の掛け軸を最後に。この次からお料理写真をご紹介します。

まずは前菜から。この雰囲気で食べるものは何でも美味しく感じると思いますけれど、最高のスターターですね。
ついでお刺身が出てきます。

つるべすし弥助さんといえば、鮎が有名なんです。ということで鮎。

風呂吹き大根的なものを挟んで、

鮎のあんかけ的なもの。鮎ってどう食べても美味しいですね。
最後が鮎の押し寿司。鮎が旬の時期には姿寿司を出されておりますが、私が伺った3月はまだ旬でないので、押し寿司でした。こちらは焼き鮎山椒寿司といい、現・49代目のご主人が、鮎が獲れなくなったことで開発をしたお寿司とのことです。
ラストがデザート。雰囲気もお料理も最高でした…!

お料理の後に、49代目の宅田弥助氏にお話を聞かせて頂きました。この記事に書かれている歴史のお話は、ご主人からお伺いした内容となります。話は全ておもろしかったのですが、特に印象的だったのは「天然鮎は苔だけを食べるベジタリアン。養殖鮎は動物性のものも食べているから味が違う」というお話でした。ご主人が手元に持たれていたのは、京都の御所につるべすしを献上していたころの看板だそう。後ほど説明しますが、元々はつるべ寿司が名物のお店で、店名がつるべすし弥助さん、となります。 こちらが現物です。2階に登る階段の横にありました。

宝暦3年のころの御札も。

ということで、つるべすしのお話です。元々、つるべすし弥助さんは、鮎を使った熟鮓を出すお店でした。鮒寿司のようなじっくり熟すお寿司でなく、5日間ぐらいで作る、ご主人曰く「はん熟鮓」だそう。鮎は味が繊細なので、はんなれぐらいが美味しいとのことでした。

そんな鮎の熟鮓を、水を組むつるべ桶に似ていたこの桶に入れてつくっていたので、つるべすし、という呼ばれるようになったそう。吉野で桶にいれて運ぶと、京都に着く頃に熟れたそうですよ。

昭和に入り、林業が廃れ、この桶をつくる職人さんもいなくなってしまい、はん熟鮓をやめてしまったそうです。

吉川英治氏がかいた、つるべすしの絵。昔は宿泊も出来たそうです。 ここから、何の絵か覚えていないのものが多いですがご紹介だけ。 飾られているものが全て素敵です。
こちらは確かお店で昔作っていた包装紙的なもだったかと。 昔のつるべすしさんの絵もありました。これだけ大きいと、もはやテーマーパークですね。

帰り際に別の棟の建物も少しだけ見学しました。先ほどまでの建物が、駐車場の裏側。こちらは玄関の上側の建物です。

こちらも素敵ですよねぇ。 味も雰囲気も大満足な1日でした。

つるべすし弥助さんは、一度は行きたいと思っていたお店で、京都で仕事があった際に、足を伸ばしてお伺いしました。雰囲気も味も歴史も楽しめて、本当に楽しかったです。次は鮎の姿寿司が食べられる季節にお伺いしたい…!

———つるべすし 弥助 基本情報———-
〇創業年 文治年間(1185年〜1189年)創業
〇営業時間
・11:30~18:30
※月曜日 定休日
〇住所
奈良県吉野郡下市町下市533
(食べログ)⇒つるべすし 弥助 (つるべすし やすけ) – 下市口/寿司 | 食べログ

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