羽田別荘で、お庭を見ながら最高の晩餐を / 広島 広島市中区 1900年創業 (明治33年)

広島市中区は、市内を南流する太田川の河口デルタ地帯で3つの砂州(島)から成り立っており、1589年(天正17年)に戦国大名の毛利輝元が築城(広島城)して城下町として栄えました。以来連綿と周辺の埋立・治水工事が行われ太田川も現在は放水路が本流となっています。江戸期から現在まで発展し続けてきて、今は市のみならず県あるいは中国地方の中心業務地区となっています。臨海部の埋立地は諸工場が立地し、旧太田川下流地区は牡蠣養殖が盛んで多くの牡蠣筏が設置されています。広島城や世界遺産の原爆ドーム・世界平和記念聖堂・広島平和記念資料館等には国内外からの多数の観光客が訪れており、この地区にも老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店などが多数残っています。

1900年創業、G8等でも利用される広島最高峰の料亭 羽田別荘 (はだべっそう)

広島電停 舟入町駅から徒歩3分ほど、広島駅から車で20分前後の場所にある 羽田別荘。1900年(明治33年)に、羽田謙次郎氏が創業した料亭です。元々は小さな茶屋としてスタートし、少しずつ拡張して大正期には大広間を構える料理屋へと成長していったそう。別荘というネーミングは「お客様に 自分の別荘のような気分を味わって頂きたい」という想いから名付けられています。広島の中心地にありながら、広大なお庭・池を持つ素敵な料亭で、G8等でも利用されている広島を代表する料亭となります。

という、羽田別荘さんの入り口。煉瓦の塀で囲まれた外からでは中が見えない造りとなっています。

入って最初に飛び込んでくる風景です。もう期待値がヤバい。

建物は大きく分けると2つあり、こちらが入り口側に近い建物となります。凄く立派な日本家屋です。

もう1つの建物は池の奥に見えるこちら。今回我々はこの池が見えるお部屋にご案内頂きました。

こちらが今回ご案内頂いたお部屋。窓から池が見えるとか豪華すぎますね。

簡単な廊下になっていて、池を見ることが出来ます。向こう側に見えているのが、最初にご紹介した入り口側の建物です。広いお部屋があってG8の外相会議のお食事会場になったのだとか。少し暗くなった時のお部屋からの風景。暗い時のほうが風情があって好きかも。

今回のメニュー表です。まずは季節の前菜から。お皿・盛り付け共に美しい。烏賊からすみまぶし、最高だった。椀物が出てきました。波を打った模様が美しい。

グリンピースのすり流しでした。暑い季節に清涼感が感じられて良いです。

鮪の山掛けです。トロける脂が最高でした。

お次は鯛の頬を炊いたものが出てきました。鯛の美味しい部分だけ食べさせてくれるとか贅沢だなぁ。

焼物は、まなかつお味噌漬とお多福豆塩蒸しでした。白味噌を使っているのか、西京焼のように甘味があって美味しかった。

メインは牛ロースくわ焼きです。お皿の時点で期待値上がる!くわ焼き=タレ漬けした肉を鉄板で焼く料理とのこと。

ででーん。タレ漬けされているためか、物凄く柔らかくてジューシーでした。この焼き方好きだなぁ。

酢物はサザエ・きゅうり・みょうが・ワカメをスダチとお酢で和えたもの。さっぱりします。

ラストはご飯&赤だしです。香の物に梅干しと広島菜があるのが嬉しい。

赤だしをアップで。ご飯もほんと美味しかった。

水菓子で締めになります。

ここからは夜の風景と、羽田別荘少女歌劇団のお話です。まずは夜の風景から。

こちらは入り口側の建物です。日本家屋が美しい。

我々のお部屋から見た図。後ろのビルと合わせて見ると、中々凄いリッチだなと感じちゃいますね。

夜のお庭の様子。暗い時の方がビルが目立っちゃいますね。

廊下の風景。ライトアップして頂けているので、日本庭園が素敵に見えます。 そしてここからは羽田別荘少女歌劇団(通称ハダカゲキ)のお話です。「ハダカで劇が?」と誤った認識もあった歌劇団を、羽田別荘さんは戦前に立ち上げられています。仲居さんから資料を見せて頂きつつ解説してもらいました。 宝塚歌劇団に近しい存在だったそうで、大正7年とかなり早い時期にスタートされています。台湾や満州に公演に行かれていたそう。

こちらは大正時代の芸妓さんのお写真。

創業者・羽田謙次郎氏のストーリーです。遊郭の畑地を買って建てたとか、弁天島に海水浴場を作ったり、そして前述の羽田別荘少女歌劇団、さらに五日市の海水浴場、草津の梅林、広島駅の駅弁と物凄く活動的な方だった模様。
こちらは羽田別荘の歩み。原爆で焼失する前は小動物園やお花畑もあったそう。戦後に残った池と石組から再興されました。

戦後の復興まもない頃の写真も。ここからあの建物が出来上がったと思うと感動しますね。 110周年にはイベントも開催されました。賀茂鶴さんが特別なお酒を造られたそうですよ。

日本各地の料亭を訪問させて頂いておりますが、過去一印象的なお店が羽田別荘さんです。こんな素敵な空間があるのか、と驚きの連続でした。料亭はお料理ももちろん美味しいのですけれど、やっぱり空間の力が強いよね、と改めて感じた訪問でした。また再訪したい…!

——- 羽田別荘 基本情報———-
〇創業年 1900年創業 / 明治33年創業
〇営業時間
・予約制
〇住所
広島県広島市中区舟入町8-40
(公式サイト)⇒ 料亭 羽田別荘

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