高級店から大衆店、甘味・軽食・ディナーまで何でも老舗で揃えられる街、浅草。そんな浅草にある、老舗天ぷら屋さんにお伺いしました
1902年創業、昔ながらの濃い目の汁の天丼を提供する 天藤
つくばエクスプレス 浅草駅から徒歩2分ほど、銀座線 浅草駅から徒歩6分ほどの場所にある 天藤。ホッピー通りの入り口の角地にあるお店です。天藤さんの創業は1902年(明治35年)。俳優の佐野史郎さんがベスト天丼を出すお店として紹介されていた、美味しい天丼が食べられるお店です。
こちらが店舗外観。二股に分かれる道の真ん中にあります。
もう少し正面から。スミマセン、ちょっと斜めってしまいました…。土日のお昼時は行列が出来ているお店ですが、平日14時過ぎだと行列なくは入れました。 店頭の看板にメニューが。天丼が3種、天ぷら定食が1種の天丼推しのお店です。
店内に入りました。お品書きはこんな感じ。天丼、定食以外に1品料理、天ぷら単品のオーダーも可能でした。 私が天藤さんを知ったきっかけは、佐野史郎さんご出演の番組だったのですが、恐らくその時の収録の時と思われる色紙が飾られていました(左下)。
ということで届きました、天丼です。海老が勢いよく飛び出ています。この蓋つきで提供するのが天藤さんスタイル!揚げたての匂いをお届けしたい、という思いから、蓋付き提供になっているのだとか。
少し寄りで。海老の尻尾が出ている姿、そそりますねぇ。 蓋を取った図。老舗の天丼らしい黒目の汁がたっぷりかかったタイプ。結構コッテリしてて、お腹に溜まりますね。美味しい!
浅草の天丼は、1887年創業 大黒屋さんもそうですが、こういったコッテリ系の黒い汁にどっぷり付けた天丼が多いですね。最近の天ぷら・天丼は、どちらかというとサクサク系、汁軽め、だと思うのですが、その真逆のガッツリ系天丼もやっぱり美味しいですね。お腹が空いている時にこそ、来て欲しいお店です。
——- 天藤 基本情報———-
〇創業年 1902年創業 / 明治35年創業
〇営業時間
10:30~17:00
※月曜日 定休日
〇住所
東京都台東区浅草1丁目41-1
(食べログ)⇒ 天藤 (てんとう) – 浅草/天ぷら [食べログ]
・あの辺りでは天健(てんたけ)が閉店してしまった事情もあるのでしょうが、天藤(てんとう)はいつも混んでますね。一寸前迄は、表通りの著名店を避ける人が行く知る人ぞ知る存在だったんですがねえ。TVなどへの露出の影響も大きいんでしょうね。
・浅草に限らず、以前は大抵の店で、天丼の具材は丼つゆに潜らせてから飯に載せていましたが、最近は上から丼つゆを、しかも管理人殿の記された通りアッサリしたものを振り掛ける處の方が寧ろ多いかも。某店で尋いたら、特に若い人を中心に、天麩羅のサクサク感を求める傾向があるから、とか言ってました。どっちにしろ、揚げ物に液体を塗せばサクサクはしなくなってしまいますし、振り掛け式だと、衣に万遍無く味が染まず、更に油だけが飯に染みてしまいますし、天丼とは元々シンナリ天麩羅の食べ物なんですから、ベッチャリが嫌な人は普通に天麩羅定食かなんかを、それも塩などで喰えば良い、と私なんかは思いますけれど。でも時代の変化や嗜好の変化もあり、又、それぞれの好みもありますからねえ。尤も斯く申す伝統的潜らせ派の私も、余りにも濃い丼つゆ潜りよりは、(超老舗ではないですが)赤坂の天茂で昼間のみ出している天丼やかきあげ丼程度の色と味の丼つゆが好みですけれどね。既に掲載された八ツ手屋とか、私が以前ご案内した錦糸町の丸中あたりの丼つゆ加減も好きです。
・ところで、蕎麦なら汁とかつゆとか出汁とか称しますが、天麩羅の場合は、天つゆとか丼つゆとか、つゆ、と呼んでますね。最近は、あらゆる料理の調味液を、たれ、と称する傾向がありますが、煮詰めて粘り気があってボタボタ垂れるから、たれ、なのですから、それは鰻蒲焼とか焼鳥の類いに使う調味液であって、本来は付け汁とかソースとかドレッシングの類は、たれ、と呼ばない筈なんですがねえ。天つゆや丼つゆも、たれ、と称する連中が結構居ますし(銀座の某老舗ではHPで堂々と丼タレと謳っています)、極端な人は、蕎麦のたれ、と言ってもいます。TVやブログや書物でも平然とそう云い放っている輩もいますし。
天藤さん、ほんといつも混んでいます。
目立つ場所だから、印象が強いだけの可能性もありますが。
今はどちらかというと、天つゆ振り掛け系天丼が主流な気がします。
というより、老舗訪問をし始めるまで、こういった潜らせ系天丼は食べたことが無かった気がします。
(振り掛け系と潜らせ系は良い分類、分かりやすいので今後使わせて頂きます)
どちらが好きかは、難しい問題ですが、個人的にはもう同じようで違う食べ物でよい気がしてきています。
関西と広島でお好み焼きが違うようなもので。
振り掛け系は、確かに天つゆが全部にかかっていないのですけれど、サクサク感とつゆの味の両方が楽しめるのが良いなぁと思いますし、
潜らせ系は最後までがっつり食べられる良さがありますし、って感じです。
ちなみに、つゆとタレ問題は、天ぷら・天丼両方出すお店で、天ぷら用の天つゆは薄め、天丼用の天つゆは濃い目で提供されていると思うのですが、
その種のお店で2つの天つゆを分かりやすく分けるには、天ぷら用を天つゆ、天丼用をタレ、と呼ぶのでは、と思いました。
両方天つゆと呼ぶのは混乱を招くから、等あるのかなぁ、と。