天清のお酒香る酒万寿の懐かしい美味しさ / 福井 敦賀 天保年間創業(1831年~1845年)

福井県敦賀市は旧越前国敦賀郡(県嶺南地方)ですが、木の芽峠で他の越前地域とは遮断されていて、江戸時代は小浜藩(若狭国)の支藩でした。地名由来には、崇神天皇の時代に朝鮮半島から渡来した“都怒我阿羅斯等(ツヌガアラシト)”に因んだ“角鹿(つのが)”が713年(和銅6年)に“敦賀”となった等の複数説があります。古代より、特に江戸中期から明治中期には北前船により、蝦夷地(現・北海道)からの板昆布が敦賀湊で水揚げされ、琵琶湖経由で京・大阪へ送られていました。出汁昆布・手漉きおぼろ昆布等の加工品生産量は現在も全国の8割以上で、他にも魚肉練り製品・へしこ・鰊寿司(麹漬)・水仙饅頭(葛饅頭)等の特産品・名物が数多くあります。市内には越前国一宮の氣比(けひ)神宮・敦賀赤レンガ倉庫・敦賀鉄道資料館(旧敦賀港駅舎再現)等の観光名所と共に、老舗の飲食店・和菓子店・食品店が何軒も残っています。

天保年間創業、貸本業者から酒まんじゅう販売業へ転身された 天清

敦賀駅から徒歩15分ほどの場所、氣比神宮の門前にある天清。代々「天屋清治郎」の名を受け継ぎ、貸本業を営んでいらっしゃったそうです。天保年間に酒まんじゅうの製法を伝授され、屋号を今の「天清」とし貸本業の傍らお饅頭屋を開業することになりました。昔敦賀には複数の酒まんじゅう屋さんがあったそうですが、今はこちらの天清さんのみが販売を続けていらっしゃるそう。

そんな天清さんの外観がこちら。昔ながら、という言葉が良く似合うお店ですね。

中に入ると酒まんじゅうがどーんと置かれていました。天清さんでは、酒万寿と書きます。 一つから購入出来たので1つ購入です。こんな感じで餡子が入っています。口に入れるとほのかにお酒の匂いがかおってくるお上品なお饅頭。昔ながらの美味しいお饅頭で、何個でも食べられそう!

購入したところ、歴史の解説ペーパーも入っていました。何度か書いていますが、こういう歴史を読みながら食べると、食べ物がおいしく感じられる性格ですw。

天清さんの酒万寿を食べて、きちんと作られた昔ながらのお菓子って美味しいよなぁ、と改めてしみじみ思いました。酒種を使って作られているだけあって、ふわっとお酒香る感じられるし、素材がダイレクトに伝わってくる美味しさがあって、何だか懐かしい気分になれました。こういうお菓子が日常的に食べられる街って素敵だなぁ。

—— 天清 基本情報———-
〇創業年 天保年間創業(1831年~1845年)
〇営業時間
・8:00~20:00 (日祭日は17:00まで)
※不定休
〇住所
福井県敦賀市神楽町1-4-9
(公式サイト) ⇒ 天清酒万寿店(通販サイト お電話でも承ります)

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