江戸時代に置かれた銀貨幣鋳造所(銀座)に地名を由来する中央区銀座は、明治時代に文明開化を象徴する町として銀座煉瓦街が建設されて栄えてきました。現在の銀座8丁目付近で芸妓能楽師に因んで称された金春(こんぱる)芸者で賑わった幕末からの花柳界が、明治政府高官などの贔屓により新橋花街として江戸時代以来の柳橋(現・台東区)と共に「柳新二橋」と称し発展し、昭和中期の最盛期を経て今も中央区築地にかけて10軒以上の料亭と数十人の芸者を擁しています。東京を代表するショッピング街であるこの街には、老舗の飲食店や和洋菓子店などが数多く点在しています。
1617年創業、京都で創業し遷都タイミングで東京へやってきた 萬年堂
銀座駅から徒歩2分ほど、東銀座駅から徒歩4分ほどの場所、銀座コアにある萬年堂。1617年 (元和3年)に、京都寺町三条にて、亀屋和泉の屋号で創業されました。明治5年、東京への遷都のタイミングで、東京京橋に移転し亀屋和泉萬年堂本店をスタート。震災・戦災を乗り越え銀座に移転され、現在に至ります。
萬年堂さんが入居されている銀座コアは、あんみつの元祖である1894年創業の銀座若松さん、1890年創業の冨貴寄で有名な菊廼舎 (きくのや)さんも入居されている、老舗店が沢山あつまったビルなのです。
と、前置きが長いですがこちらが萬年堂さんの外観。創業元和年間の文字が眩しい…!
ディスプレイには沢山のお菓子が並んでいました。
今回のお目当ては、こちらの茶色いお菓子、御目出糖(おめでとう)。ネーミングも素敵だけど、そもそもどんなお菓子なのかつかみ切れていないので、すっごく気になる! 説明書きも載っていました。御目出糖は元禄時代より作られているのだとか、すごい…。
もう一種類何か買いたいなぁ、と探していたところ、こちらの”川止め”が気になったので購入。楽しみだー。 ということで、まずは御目出糖から。箱が立派!
ででーん、こちらが御目出糖。小豆餡に米粉等を混ぜ大納言の蜜漬けを散らし蒸したお菓子なのです。
一つ取り出した図。そぼろっぽい見た目してますが、食感としてはモチモチ系。ほんのりした甘さが上品で美味い! 中には説明紙も入っていました。前述のとおり元禄より作られていたお菓子。赤飯のような見た目だったことから、御目出糖と名付けられお祝い用の菓子として使われていたそう。縁起の良いネーミングですものね。 上述した歴史は、こちらの説明紙の内容です。現在のご主人は13代目の方なのだそう。歴史が長い! そして石衣製の川止めを買ってきました。 中身はこんな感じ。餡子を砂糖の衣で包んだ(石衣)お菓子です。
一口で食べられる、カジュアルなお菓子。これ幾つでも食べられそうでヤバいw。食べたい食べたいと思い続けていた御目出糖(おめでとう)、ついに食べることが出来ました。見た目から味が想像できていなかったのですが、どちらかというと素朴な、だけれど上品な甘さがあるお菓子でした。こんなお菓子が100年以上も前に開発された、なんて聞くと、和菓子の世界の奥深さに驚かされますね。今回は御目出糖みの購入となりましたが、次回は挽茶入りの高麗餅も買ってみようと思います。絶対美味しいよねw。
——-萬年堂 基本情報———-
〇創業年 1617年創業 / 元和3年創業
〇営業時間
・11:00~20:00
※元日 定休日 (不定休あり)
〇住所
東京都中央区銀座5-8-20 あずま通
(公式サイト)⇒ おいしい和菓子 萬年堂