オフィシャルサイトにて、2021年1月末閉店と発表されています。
当店は創業230余年、江戸後期から川魚料理店として皆様よりご愛顧いただいて参りましたが、諸般の事情により令和3年1月末日をもちまして閉店することとなりました。
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葛飾区柴又は古くから題経寺(柴又帝釈天)の門前町として栄えていましたが、映画『男はつらいよ』の舞台となって全国的に知られ、江戸川対岸の千葉県松戸市への“矢切の渡し”等と共に多くの観光客で賑わっています。地名は、戦国時代に古代からの“嶋俣(しままた、河川合流地の島状地形)”から“柴又”に転訛して江戸時代に定着したと言われており、「男はつらいよ」第1作公開2年前の1967年(昭和42年)に旧柴又町が他地区を併合して現町名となりました。住宅地が広がる中に東京都金町浄水場が立地しています。帝釈天の参道や周辺には老舗の飲食店や和菓子店なども残っているんですよ。
1790年創業、数多くの文学者に愛され、文学作品に登場した 川甚
柴又駅から徒歩7分ほど、帝釈天の裏手側、帝釈天から2分ほどの場所にある 川甚。1790年(寛政2年)に江戸川の畔に、甚左衛門氏によって創業された川魚を扱う日本料理店です。当時は川から船で直接お部屋に入ることもできたそう。風流でよいですねぇ。ちなみに川甚という屋号は、川沿いに佇む甚左衛門の料亭からきています。
今の場所に移られたのは大正初期からスタートした河川の改修工事の結果だそう。この時にできた本館が、タイトルに記載した”男はつらいよ”の第1作で登場した、寅さんの妹さくらの結婚式で使われた会場となります。
こちらが川甚の外観。左が結婚式会場の本館(とはいえ建て直しされています)。右が新館となります。
今回は新館でご飯を頂きました。 新館の入口には御品書が。単品も美味しそうだけれど、コースも良いなぁ。 店内に入りました。1ページ目に本館と”男はつらいよ”のエピソードが書かれています。
どれにしようかなぁ、と悩んだ結果”花コース”にしました。鯉こく、鯉洗い、鰻が食べられるって最高か。ちなみに鰻小丼を鰻重にサイズアップ。(というのを忘れないように指さしたメニュー写真しか撮っていなかったw)。 歴史の説明紙も置いてありました。文学者に愛された川甚は、数多くの作品に登場しています。作品に登場させた文学者名だけでも、幸田露伴、大町桂月、夏目漱石、谷崎潤一郎、尾崎士郎、獅子文六、松本清張、林芙美子氏の名が挙げられています ということで花コースです。まずは胡麻豆腐から。 そして南蛮漬け。 きました、鯉洗い!鯉ってあんまり好きでなかったのですが、僕が好きになったのは東京で働き始めた初年度に、川甚さんで鯉洗いを食べたからなんですよね。懐かしの対面!
もちろん、酢味噌を付けて食べるのです。 そして〆が、アップグレードした鰻重。いやぁ、幸せなご飯だなぁ。 そして水菓子でフィニッシュです。ご馳走さまでした!
ご飯を食べレジへ向かうと、手塚治虫の絵が。手塚さんも川甚さんがお好きだったそう。 そして黒澤明のサイン(書?)も。有名人だらけw。
レジでお金を払おうとしたところ、こんなお煎餅が。しかも1884年創業の神田淡平さんの文字も見える。
こんな新聞記事も置いてありました。老舗の夢のタッグですね。
こんなの老舗マニアの僕が見逃すわけにはいかない、と思い1枚購入。うなぎ煎餅の文字が眩しい。
ちょっと食べかけでスミマセン。鰻の味とタレの味がしみ込んだお煎餅に山椒をかけて食べます。確かに鰻っぽい!
川甚さん、途中に少し書きましたが私が東京で働き始めた初年度に来たお店なんです。そこで鯉の美味しさに目覚めましたし、考えてみると私が今行っている老舗ツアーの原点にあたるお店なのかもしれません。10年ほどご無沙汰して、久々に来たのですが、老舗だけれどカジュアルに楽しめる雰囲気は変わらず、とっても楽しめました。今回は1Fの席で食べたのですが、今度は少し高い席から、江戸川を眺めながら食べたいなぁ。
———川甚 基本情報———-
〇創業年 1790年創業 / 寛政2年創業
〇営業時間
・平日
11:00~15:00
17:00~21:00(要予約)
・土・日・祝日
11:00~21:00(17:00以降要予約)
※ 水曜 定休日 (繁忙期除く)
〇住所
東京都葛飾区柴又7-19-14
(公式サイト)⇒文豪達に愛された東京柴又の名店|柴又 うなぎ 文豪