鹿児島県本土中央部で鹿児島湾(錦江湾)奥側の姶良(あいら)市は、江戸時代は薩摩藩領(一門家私領含む)で、2010年(平成22年)に姶良郡加治木(かじき)町・姶良町・蒲生(かもう)町の合併で発足し、南部平野地帯は鹿児島市のベッドタウンにもなっています。1879年(明治12年)発足の姶良(あいら)郡は、かつては桑原郡から西部が独立した帖佐郡が改称された始良(しら)郡であり、姶良市の東南地域(鹿屋市周辺)を称した古代成立の大隅国の姶羅(あいら)郡と混同された名称となって1971年(明治4年)に姶良(あいら)と統一表記され、後の町名・市名に踏襲されました。帖佐人形(粘土素焼色付け)・蒲生和紙・龍門司焼(陶器)等の伝統品や温州蜜柑・筍・煙草葉・ねじめ枇杷茶・蒲生紅茶・鮎・養殖はまち・漬物・銘菓(加治木まんじゅう・和尚さん饅頭等)・芋焼酎等の特産品・名物があり、市内には老舗の和菓子店・和洋菓子店・醸造所(焼酎)などが残っています。
1823年創業、加治木に伝わる加治木まんじゅうをつくり続ける 美坂饅頭屋
錦江駅から徒歩13分ほど、加治木駅から徒歩14分ほどの場所にある 美坂饅頭屋。1823年(文政6年)に創業された同店は、江戸中期から加治木の地に伝わる加治木まんじゅうを作り続けていらっしゃいます。加治木まんじゅうの誕生は諸説あるものの、島津義弘公が加治木に移住するに先立って、1606年(慶長11年)から加治木館を建造した際に、その工事中のお茶請けとして出されたものが加治木まんじゅうの始まりとされています。以来、加治木の地で複数の和菓子店で作り続けられております。
という、美坂饅頭屋さんの看板です。大きく加治木まんじゅうと書かれています。
こちらが店舗外観です。少し年季の入ったルックスですね。
窓口にはこんな張り紙が。1つ110円です。米麹と餅米を発酵させて作った自家製酒種を使った皮のおまんじゅうです。プレインとよもぎの2種類販売されていますが、この日はよもぎ完売でした。
大日本帝国政府が発行した、菓子製造免許も飾られていました。
で、購入したのがこちらの加治木饅頭です。美坂屋の看板とともに。ホカホカ状態で貰えるのが嬉しい。
中身はこんな感じです。昔ながらの丁寧に作られたお饅頭って感じがして、物凄く美味しい。温かいのもまた、美味しさの構成要素だよなぁ。
加治木まんじゅうは、鹿児島や宮崎県西部ではある程度知名度があるそうですが、今回訪問するまで全く知りませんでした。ホカホカ状態で提供するため、お店が限られ、そのため地域限定のお菓子となっているそうです。元々は白一色でしたが、近年は様々なものを練り込んだ色鮮やかなバリエーションがあるそうですよ。次回は食べ歩きして比較したいなぁ。
——–美坂饅頭屋 基本情報———-
〇創業年 1823年創業 / 文政6年創業
〇営業時間
・8:30-18:00
※不定休
〇住所
鹿児島県姶良市加治木町錦江町180
(食べログ)⇒ 美坂饅頭屋 – 錦江/和菓子 | 食べログ