戦国時代の後北条氏や江戸時代の小田原藩の城下町として栄え、およそ400年前に東海道五十三次中で最大の規模であった9番目の小田原宿が設けられて賑わった神奈川県小田原市。古名の「小由留木」(こゆるぎ、「淘陵」とも表記)の草書体を読み間違えた説や、原野を開墾して小田となったとの由来説があります。西湘地域の核であり永らく箱根観光の拠点でもあって、豊かな自然の中で海山の産物に恵まれ、蒲鉾や梅干などの特産品で全国に知られており、各所に老舗の飲食店・和菓子店・食品店などが点在しています。
1830年創業、その場で竹輪を焼いて提供する いせかね
小田原には様々な名物がありますが、最も知名度が高いものの一つが「蒲鉾」かと思います。小田原の場合は、明治時代に13社で組合を作り、現在は「小田原蒲鉾」として商標も取得されているんです。そんな小田原には、「かまぼこ通り」という、蒲鉾屋さんが並んでいる街道があり、今回はその入り口にある、いせかね(伊勢兼)さんへお伺いしました。小田原駅から徒歩15分程度と、少し歩く場所にあります。
いせかねさんは、1830年(天保元年) 杉山兼吉さんによって創業されました。兼吉さんの奉公先である「伊勢善」さんより「伊勢」の名を継ぎ、ご自身の「兼」の文字を加えて、伊勢兼とされたそうです(更に詳しい歴史は、いせかねさんのページでご確認頂けます)。
そんな いせかねさんの店舗がこちら。伊勢兼・いせかねの両方の記述がありますが、店名を指す時は「いせかね」と平仮名を用いていらっしゃいました。 中に入ると高級な蒲鉾がずらり。全部食べたいw。
少し見づらいですが、真ん中にある「北條」は東宮御所献上賜である看板の品。食べてみたかったのですが、冷蔵の品を持ち帰る余裕がなかったため今回は泣く泣くパスしました…。
今回のお目当てはこちらです。焼きたて竹輪! オーダーすると、その場で焼きはじめてくれます。マシンでゴロゴロ転がりながら焼かれていきます。 じゃじゃーん、出来上がりがこちら。この焼きたて竹輪は季節毎に様々な種類を出されているそう。私が食べたものは、イワシの味がする、お酒が欲しくなる味でした。この後別の店に行く予定が無ければ、後2本ぐらい食べてたと思うぐらい美味しかったw。 急に話を変えますが、いせかねさんはじめ小田原蒲鉾のお店には、缶バッジのガチャが置いてあります。1個買いましたが、コンプリートしたくなりますね。
いせかね(伊勢兼)さん、創業180年を超えるお店で歴史が長いだけでなく、小田原蒲鉾の名を広めるのに重要な役割を担った会社さんなのだそう。いせかね(伊勢兼)さんのウェブサイトからの引用となりますが、
「小田原かまぼこ」が広く知られるようになったのは、伊勢兼初代・杉山兼吉が天保元年に開業後半世紀を経た大正後期からで、その大きな原動力となったのは、小田原蒲鉾協会において伊勢兼二代目・杉山太郎吉が中心となり『かまぼこ』の原料にグチ(イシモチ)を導入したことによる。
がきっかけとなり、食味が向上しその名が知られるようになったのだとか。そういう歴史を担ったお店の味が楽しめるのは、老舗訪問の醍醐味ですね。
———いせかね 基本情報———-
〇創業年 1830年創業 / 天保元年創業
〇営業時間
9:00~17:00
※ふぃてい級
〇住所
神奈川県小田原市浜町3-15-5
(公式サイト)⇒小田原いせかね — 伝統プラスワン —
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