ファミレスの先駆け レストランじゅらくのオムライス / 東京 上野 1924年創業 (大正13年)

東京の北の玄関口・上野駅を核とする台東区上野は、江戸時代に建立された徳川将軍家菩提寺である寛永寺の門前町として栄えました。明治には不忍池周辺が上野公園(上野恩賜公園)として整備され、博物館・美術館・文化会館などの多数の芸術文化施設や、動物園などの観光・レクリエーションの場に多くの人々を集めています。アメヤ横丁の食材・雑貨・衣料等の商店も連日賑わい、由緒ある公園内や町の各所に老舗の飲食店や和洋菓子店などが数多く点在しています。

1924年創業、洋食の歴史を作り、ファミレスの先駆けとなった 聚楽 じゅらく

2008年まで上野駅の西郷会館(上野百貨店)で営業していた、上野駅のランドマークであり、ファミレスの先駆け取ったレストラン 「聚楽台」。その運営会社である「聚楽」が運営しているのが、今回お邪魔した上の駅から徒歩1分の場所にあるレストラン じゅらく上野駅前店です。西郷会館リニューアルの時に、条件が折り合わず出店を見合わせたため、聚楽台はなくなってしまいましたが、その料理の一部を、こちらのレストランじゅらくで食べることが出来ます。
聚楽の歴史は、1924年(大正13年)に神田須田町に「須田町食堂」を創業したことで始まりました。須田町食堂といえば、洋食を大衆化させた有名店で、日本の洋食の歴史に名を刻む名店です(同名の店舗を2006年より秋葉原UDX内で営業中)。須田町食堂として洋食の歴史を作り、聚楽台として上野の(そして東京)の洋食シーンを牽引してきたのが聚楽さんです。

今回は聚楽台を懐かしむため、じゅらく上野駅前店にお伺いしました。昔ながらのファミレスのような外観です。 こちらがメニュー。看板メニューのオムライスも載っていますね。 オムライスは、かなり沢山のアリエーションがあります。基本のトマトソースから、ハヤシソース、ビーフシチュー、オムカレー等々。これは悩まされますね…。今回はシンプルにトマトソースのオムライス980円をチョイス。程よい酸味がアクセントになって美味しいです。

上野駅前の聚楽台さん、上京後2回ほど伺いました。たしか両方とも両親からのリクエストだったような…。聚楽台さんは、田舎に住んでいる人間からすると、都会の光輝くレストラン、というイメージで、初めて伺った時は軽く緊張をしたことを覚えています。言ってしまえばただのファミレスなんですが、我々にとっては「テレビで見たあのお店」という印象が強かったのですよね。
そんな記憶を胸にじゅらく上野駅前店さんにお伺いしたのですが、店も相当新しく、どちらかというと観光客向けの簡易食堂といった感じになっていて、ちょっとだけ肩透かしを受けた感じ。ポジティブに捉えれば時代のニーズに合わせた、ということなんだろうなぁ、と。長い時間の中でニーズも変わるので、これも一つの老舗の在り方なのだと、個人的には感じました。
(なんだかネガティブっぽい書き方になっていますが、オムライスは好みの味でしたよ)

——- 聚楽 じゅらく 基本情報———-
〇創業年  1924年創業 / 大正13年創業

※下記はレストランじゅらく 上野駅前店の情報です。
〇営業時間
月~日 11:00~23:00(L.O.22:00)
※定休日なし
〇住所
東京都台東区上野6-11-11
(公式サイト)⇒ 株式会社 聚楽

4件のコメント

  1. ・上野百貨店も聚楽台も無くなって、上野駅前の一角もお洒落っぽくはなりましたが何となく寂しい気もします。町の大衆的な大箱レストランも、この上野駅前のじゅらくとか御徒町駅前の吉池食堂とか浅草新仲見世の東洋とか新宿三平のはやしやとかは残っていますが、あちこち随分少なくなりました。昔は東京の子供が滅多にない特別な日に親に連れられてオメカシして行く飲食店は、そんな處か(以前に掲載された鹿児島の山形屋食堂のような)百貨店の大食堂程度だったので、今の子供達がファミレスや回転寿司や焼肉屋などで日常的に食事をしている光景を見ると文字通り隔世の感があります。
    ・あちこちのJR駅構内に在った日本食堂も消えて大分経ちますね。私の記憶に鮮烈に残っているのは、渋谷駅地下でハチ公広場の下あたりに在った店です。立派な寿司のつけ台も有り、年配のグループが幕の内弁当に瓶麦酒や一合瓶かなんかで同窓会っぽい会食をしている光景をしばしば眺めながら、私も友人とよく食堂呑みしたものでした。
    ・渋谷と云えば、嘗ては大正の末に創業した大衆食堂の渋谷食堂が在って、創業者の後裔が宇田川町で万葉会館と名を変えて、館内地階で手頃な中華料理や伊太利料理を商って永らく繁盛していますね。

    1. レス遅くなりました。ハードな1週間でして…。
      (昨日無事終わりました)

      聚楽台は、東京外の人間でもテレビで見る機会があり、ぼんやりと憧れの場でした。
      御徒町駅前の吉池食堂等、他に上げて頂いた大箱のレストラン、実はどれも存じ上げず、で、
      私が住んでいた東海地方のテレビではあまり紹介されていなかったのかもしれません。
      吉池食堂もはやしやもかなり興味をそそりますので、老舗訪問が落ち着いたころに行ってみようかと。
      落ち着く日が来なさそうなのが問題ですがw。

      1. ・既述の大衆レストランはTVで紹介されるような處ではなく、普通の東京市民が日常で行ったり、浅草の東洋のように地方からの観光客が入ったりしてきた處ですから、私も近くに行った時に何回か利用した程度ですし、何れも創業数十年程度ですし、老舗探訪優先の方が態々訪れる程の處ではないと存じます。尤も、最近では、某噺家が某誌に連載している夕方呑み記事がTV番組化されている模様で、老舗蕎麦屋などに混じってあんなレストランも注目されているようではありますが。
        ・ただ、大正創業のシブショクがルーツの万葉会館は、これも態々行くべき内容ではないですが、渋谷の大再開発の余波があったりしていつ無くなるか判らないと云う危惧はあります。

        1. 確かに渋谷は色々変わってきているので早めに伺うのがよさそうです。
          元HMVが入ってた(現フォーエバー21)のあのビルが万葉会館だったのですね。
          HMVが閉店する前はかなり伺っていたのですが、老舗企業運営のビルとは知らなかったです…。
          来週渋谷で予定があるので、チャンスがあれば伺ってきます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です