栃木県足利市は、古くは足利荘(荘園)が栄えた清和源氏義家流の足利氏発祥の地であり、室町時代には関東文化の中心地でした。平安時代初期あるいは鎌倉時代に創設されたと伝わり、フランシスコ・ザビエルが「坂東の大学」と呼んだ日本最古の教育機関で明治5年(1872年)まで存続した足利学校・足利学校遺蹟図書館、1200年以上前に創建された織物の守護神・織姫神社、足利氏居館跡・鑁阿寺(ばんなじ)等の多数の名所旧跡寺社が残っています。あしかがフラワーパークや伊万里焼・鍋島焼の栗田美術館等の多くの美術館など観光名所も点在し、老舗の飲食店・和菓子店が何軒も残っています。
1899年創業、浅草 舟和の兄弟店 元祖芋ようかん 舟定屋 本店
足利駅から徒歩10分強かかる場所にある 元祖芋ようかんで知られる舟定屋 本店。同じ舟の文字を屋号に持ち、同じく元祖芋ようかんをうたう浅草 舟和と共に創業されたいわば兄弟店となるお店です。
芋ようかんの歴史は、船橋で共に働いた浅草の芋問屋 小林和助さんと、船橋出身の石川定吉さんによって生み出されました。船橋の「舟」と「和助」の「和」をとり「舟和」の屋号で浅草にお店を構えた和助さんのお店と、船橋の「舟」と「定吉」の「定」をとり「舟定」の屋号で創業し足利に移られた定吉さんの店、となり、そのどちらも元祖芋ようかんを扱われている、という歴史となるようです。このストーリーを知ってから、舟和好きの私としては、是非舟定の芋ようかんも食べたい、と足利市へやってきた訳です。舟定さんは1899年(明治32年)創業となっており、1902年創業(明治35年)の舟和さんより少し早い創業年となっています。
こちらが店舗外観。古めかしい良い感じのお店です。 舟定屋本店さんは、芋ようかんはもちろんのこと、他にも様々な和菓子を販売されています。 舟定と舟和のストーリーもpopで飾られていました。舟和さんのウェブには大枠で同じストーリーが掲載されています。
こちらが元祖芋ようかん。芋、砂糖、塩だけで作られた、シンプルなお菓子です。 こちらがアップの図。舟和さんのと比較すると、繊維が荒めに残っているのが特徴で、芋な感じが残ります。舟和さんのより素朴な感じがあって、この芋ようかんも凄く美味しい!
老舗はその歴史の中で、けんか別れであったり等々色々ありますが、舟和さん、舟定さんは大枠で同じストーリーを語られていて、そこまで悪くない関係性なのでしょうか(といっても、舟和さん側のウェブサイトには、定吉さんの話は出てきても、舟定のことは触れられていませんが)。その辺りの詮索をするのは他の方に任せるとして、世の中に芋ようかんという素敵なお菓子を生み出したお2人のお店が、両店共に残っている、という奇跡に感謝したいですね(特に芋ようかん好きの私としてはw)。
——-舟定屋 本店 基本情報———-
〇創業年 1899年創業 / 明治32年創業
〇営業時間
9:30~18:30
※水曜日・第4火曜 定休日
〇住所
栃木県足利市通4-2812
(足利市観光協会サイト )⇒ 舟定屋本店 | 足利市観光協会 | 学び舎のまち足利