戦国時代の後北条氏や江戸時代の小田原藩の城下町として栄え、およそ400年前に東海道五十三次中で最大の規模であった9番目の小田原宿が設けられて賑わった神奈川県小田原市。古名の「小由留木」(こゆるぎ、「淘陵」とも表記)の草書体を読み間違えた説や、原野を開墾して小田となったとの由来説があります。西湘地域の核であり永らく箱根観光の拠点でもあって、豊かな自然の中で海山の産物に恵まれ、蒲鉾や梅干などの特産品で全国に知られており、各所に老舗の飲食店・和菓子店・食品店などが点在しています。
1893年創業、文化財にも認定されている だるま料理店
小田原駅から徒歩10分ほど、位置的には小田駅から小田原城を超えた裏手辺りに、まるで旅館のようなお食事処「だるま料理店」があります。国登録有形文化財として認定されているだけあり、かなり豪華な建物です。
だるま料理店のだるま、という名前ですが、創業者の旧姓である達磨(たつま)から、また、だるま大師の縁起から取られた名前とのこと。
こちらが本館。かっこよくないですか?
12時少し前に伺ったのですが、既にかなり込み合っており、30分ほど待ちました。お店の外にだるま料理店の説明看板があったので読み込みます。
現在の建物は、二代目の廣澤吉蔵が大正15年(1926年)にブリ漁で得たお金を基に再建したもの。創業時の建物は、関東大震災で損壊してしまったそうです。都内の老舗にも関東大震災で倒壊したお店がありますが、小田原でも同じ状況とは、関東大震災の大きさが伝わってきますね…。
だるま料理店の歴史は、メニュー表の1ページ目にも載っていました。こうやって歴史と共に楽しめる老舗が個人的には好みです。
だるま料理店といえば海の幸と天ぷら、です。お伺いした時はちょうど伊勢えびが解禁されたときでした。これは頼むしかない!(高いけどw)。
届きました伊勢えび。まずはおつくりで食べます。あまーい。食べ終えると殻が回収されます。
続いてやってきたのが茄子の味噌田楽。茄子も田楽も大人になって美味しいと感じる食べ物ですよねぇ。
おつくりを食べて回収された伊勢えびの殻は、赤だしとして復活します。赤味噌の濃さに負けない伊勢えびは偉大。
伊勢えびにテンションが上がり過ぎましたが、だるま料理店さんといえば、の料理はこちらの天重。はみ出すぐらいのボリュームがヤバいw。
こちらは天丼。天重より価格が安い分量も少な目。といっても十分な量なので、大食漢な型でなければ天丼で十分かと(とはいえ、天重のビジュアルのほうが映えるので頼みたくなりますよね…)。
少し興奮したテンションで書いてしまいましたが、だるま料理店さんは、美味しい海産物を、これでもか!、という勢いで出してくれるので大変満足度が高いです。お値段は少し高めなので日常使いは難しいですが、せっかく旅行に来たなら、というタイミングで利用するならとっても良いお店だと思います。今度は夜、二階席で食べたいなぁ、と思いますが、場所が場所だけに再訪は少し先になりそうです。
———だるま料理店 基本情報———-
〇創業年 明治26年創業 / 1893年創業
〇営業時間
一階食堂11:00~21:00(ラストオーダー 20:00)
階上お座敷11:00~21:00(最終ご入店19:00)
※正月三が日 定休日
〇住所
神奈川県小田原市本町2丁目1番30号
(公式サイト)⇒だるま料理店 | のれんと味