岐阜県庁所在地の岐阜市は、戦国時代は斎藤道三や織田信長が治める城下町として発展し、江戸時代は幕府直轄領の後に尾張藩領となり商工業の中心地として栄えました。織田信長が稲葉山城下の井ノ口を(中国の周王朝誕生時に鳳凰が舞い降りたとされる岐山と孔子生誕地の曲阜から)岐阜と改名したと伝わるなど地名由来には諸説があります。JR岐阜駅周辺の市街地にはオフィスや商業施設が建ち並び、柳ケ瀬(やながせ)は県最大の繁華街で、市南部は県庁始め行政や商業の拠点となっています。戦国時代から栄えてきた旧岐阜町に当たる市北部には金華山・岐阜城・長良川鵜飼い船乗り込み口などの観光名所があり古い家屋の街並みが残っています。この歴史ある市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が何軒も残っています。
1907年創業、東海地方の一部レストランでしか食べられないないミヤベヤを提供する あじろ亭
岐阜駅からクルマで10分ほど、伊奈波神社に向かう参道沿いにある あじろ亭。1907年(明治40年)に創業された洋食店です。あじろ亭さんは、その味もさることながら、とある食べ物で知られています。それがタイトルにも書いた「ミヤベヤ」です。ミヤベヤ、名古屋生まれの私も知りませんでしたが、東海地方に点在して生き残っている食べ物なんです。
と、前段が長くなりましたがこちらが あじろ亭さんの外観。オシャレな西洋風の建物でした。
こちらが正面。玄関も立派ですね。 中に入りました。こちらがメニュー表。洋食屋さんですのでエビフライや、ハンバーグ、カレー、オムライス等揃っています。 テーブルの上には小さなPOPがあり、そちらでアピールされていたのが、こちらの「チキンミヤベヤ」。ミヤベヤのチキン入り、だから、チキンミヤベヤ、です。
POPの裏側は高等ライス。こちらのメニューも気になるなぁ。で、ミヤベヤとは何なのか、というお話ですが、朝日新聞に取材された時の記事が載っていました(ウェブでもこちらから読めます)。記事によるとミヤベヤは、愛知県武豊町の「享楽亭」、名古屋の「勝利亭」、三重県津市の「中津軒」、そして今回伺った岐阜市の「あじろ亭」さんの4店舗のみで継承されているメニューなんだそう。
料理的には、鶏肉と玉ねぎを炒め、ケチャップ・デミグラスソースで味付けし、最後に玉子を落とす、という料理のよう。
と、説明しても分かりづらいと思うのでオーダーしたチキンミヤベヤをどうぞ。こんな感じで鶏肉と玉ねぎの上に、どーんと目玉焼きが乗っています。ちなみにこの料理起源が分からないそうですが、前述の記事では「マイヤベーア風皿焼き卵」がルーツではないか、とのこと。
ルーツは分かりませんが、美味しかったです。で、こちらが高等ライス。「高等ライスってなんですか?」って質問をしたところ、「高等なカレーで」と、返事が。高等=高級の意味で、当時高級であった目玉焼きをカレーの上に乗せたもの、だそう。ミヤベヤと玉子かぶりしましたが、美味しいから問題なしw。
ミヤベヤも、高等カレーもとっても美味しかった”あじろ亭”さんですが、後継者不足のため一時閉店をされ、今はランチのみを提供される形式となっています。こんな美味しいお店が無くなってしまうかも、と思うと悲しい気持ちになりますが、我々に出来ることは食べに行くことだと思うので、お近くの方は是非行ってみてください。ミヤベヤが食べられる貴重な1店ですしね。ミヤベヤ4店制覇も、早くしたいなぁ。
——–あじろ亭 基本情報———-
〇創業年 1907年創業 / 明治40年創業
〇営業時間
11:30~14:00
※金曜日 定休日
〇住所
岐阜県岐阜市伊奈波通1-65
(食べログ)⇒ あじろ亭 (アジロテイ) – 岐阜市その他/洋食 [食べログ]
1件のコメント