愛知県南部で知多（ちた）半島に所在の知多郡は、1878年（明治11年）の行政区画郡発足時には半島とほぼ一致する郡域で後の半田・常滑・大府・知多各市及び東海市大部分や豊明市・名古屋市緑区の各一部も含んでいましたが、現在は阿久比町・東浦町・南知多町・美浜町・武豊（たけとよ）町の5町が属しており、日本の郡人口では福岡県糟屋郡に次2番目です。知多の由来は不詳で、江戸時代は尾張名古屋藩等の領地でした。半島中央部で衣浦湾（三河湾北西部）に面する武豊町は、1878年（明治11年）2村合併で長尾村氏神の武雄神社と大足村氏神の豊石神社から一字ずつ採字で村名となり、1889年（明治22年）の（町村制）武豊村を経て1891年（明治24年）に旧町となって1954年（昭和29年）に富貴村合併で現町となりました。武豊港（重要港湾・衣浦港一部）沿岸は工業地帯で、醸造業が盛んであり（千葉県銚子・兵庫県龍野と並ぶ全国三大醸造郷）、味噌・醤油・武豊沢庵等の特産品・名物があります。郡内には老舗の和菓子店・食品店・醸造会社・酒蔵・旅館などが複数残っています。

1879年創業、昔ながらの製法で味噌・たまりを製造する 中定商店

武豊駅から徒歩4分ほど、名古屋駅から車で1時間前後の場所にある 中定商店。1879年(明治12年)に、中川定平氏が長尾村(現、武豊町)で味噌・たまりの醸造を始めたことが創業です。社名は初代の中川定平氏の「中」と「定」から取られています。この地で製造が盛んな赤味噌(豆味噌)と、味噌製造時に底に溜まる液体・たまり醤油を作り続けている企業で、たまりをこの形で作り続けている貴重な企業の1社となります。

という、中定商店さんの宝山たまり十水(とみず)を購入しました。宝山(ほうざん)は、中定商店さんの味噌ブランドの名前です。

パッケージ裏側です。原材料は大豆と食塩のみ！

さらに逆サイドです。杉の大桶を使い3年間天然醸造した味噌から自然にしみ出たたまりとなります。このたまりは醤油のルーツとも呼ばれていますね。

で、出してみた図です。この漆黒さがたまり醤油ですよね。コッテリ黒く、旨味が強い、けど、さほど塩味はなくまろやかです。

私の両親は2人とも知多半島出身で、お刺身はたまり醤油をつけて食べる派でした。私はその美味しさがわからず、普通の濃口で食べていたのですが、この年になるとたまり醤油の美味しさが実感できるようになりました。この濃厚な旨味に負けない刺身の美味しさを体感するための組み合わせだったのね、と。食文化の地域性は、まだまだ勉強が必要です。

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——- 中定商店 基本情報———-
〇創業年　1879年創業 / 明治12年創業
〇営業時間
・9:00 – 17:30
※土日 定休日
〇住所
愛知県知多郡武豊町小迎５１
（公式サイト）⇒ 中定商店　豆味噌・たまり醤油の蔵元　宝山（ほうざん）