多くの今半のルーツである今半本店 / 東京 浅草 1895年創業 (明治28年)

高級店から大衆店、甘味・軽食・ディナーまで何でも老舗で揃えられる街、浅草。浅草からスタートし、日本を代表するすき焼きの老舗と知られることになった名店に伺いました。

1895年創業、多くの今半のルーツである今半本店

浅草駅から5分強の場所にある今半本店。今や日本の大都市に点在する今半系のお店ですが、ルーツにあたるのがこちらの今半本店。1895年(明治28年)、当時の本所区吾妻橋で創業し、1912年(大正元年)に浅草に移転されています。

今半、という名前からは当時の時代背景が見えてきます。今半さんが創業された当時は、牛肉を食べる文化が出来つつあった時代で、食に適さない肉をはじめ様々な牛肉が流通していた時代でした。その当時、関東で唯一の政府公認食肉処理場が芝区白金今里村(現在の白金台)にあり、ここから肉を仕入れたお店、つまり正規ルートの安全なお肉を利用しているお店、という意味となったそう。そのため今里村から仕入れているお店は、「今」を店名に使うことが多く、今半さんもその一つでした。また当時の新しい食文化であったため「今様(いまよう)」から、「今」の字を取ったそうです。ちなみに「半」については、創業者の名前から取られています。

日本各地にある今半さんですが、最初の暖簾分けが1921年(大正10年)に開業の今半別館さん。ついで1928年(昭和3年)に浅草今半さん、そして人形町今半さんと続きます。人形町今半さんは、1952年(昭和27年)に浅草今半さんの日本橋支店として開店し、1956年(昭和31年)に人形町今半として独立。さらにその後に、人形町今半さんから、代々木今半さんが暖簾分けし開業しています。人形町今半さんが最も店舗が多く、福岡・名古屋・横浜でも営業されています。
(それぞれの今半は別法人として運営されています。各今半さんの詳細は下部に記載)

こちらが今半本店の外観。格調高い感じ、というよりも、親しみのある昔ながらな印象です。

お店の外にお品書きが書かれています。すき焼き、という事を考えれば決して高過ぎない価格かと。案外庶民派です(が、カード利用不可なのでお気を付け下さい)。

今回は上すき焼き2人前をオーダーしました。いやー、良い肉ですね。

卓上にガスコンロが置かれており、そちらにマッチで火を付けます。なんか昔ながら感あって良いですよね。

ザクとお肉両方一緒に煮はじめるタイプでした(最初にお肉だけで一口分づつ作ってからザクと、が老舗の中には多いです)。

卵にドーン。雰囲気含めて最高に美味しい。

今半本店さんは、別館の後に伺ったので、どんな凄いお店なんだろう、とドキドキしてたのですが、別館さんと比べて庶民派な印象で落ち着いて食べられました。味は好みの問題ですが、本店か別館のどちらかをと聞かれれば、しいて言えば両方です、と答えるぐらい両店共に美味しいです。
味より雰囲気で、庶民派なら本店、少し畏まってなら別館、という使い分けが良いかもしれません。どちらも最高ですよ。

※以下、今半さんの時系列の歴史です。今半本店今半別館浅草今半人形町今半の4法人の歴史を記載しています。法人名が似ていて分かりづらいので、それぞれの名前を黒字で強調しています。

・1895年(明治28年)本所区の吾妻橋で今半を創業(現、今半本店
・1912年(大正元年)今半本店が浅草に移転
・1921年(大正10年)今半本店からの暖簾分けの形で芝区三田で今半別館を開業(太平洋戦争末期に建物疎開で店舗取り壊し。1950年浅草移転)
・1928年(昭和3年)今半本店からの暖簾分けで浅草今半が国際通り沿いにて開業
・1950年頃(昭和25年頃)店舗取り壊しとなっていた 今半別館が、浅草伝法院通り近くで開店
・1952年(昭和27年) 浅草今半が日本橋支店を開店
・1956年(昭和31年)浅草今半 日本橋支店が、人形町今半として独立

———今半本店 基本情報———-
〇創業年 明治28年 / 1895年創業
〇営業時間
11:30~20:30 (LO 20:00)
平日は3-4時 休憩時間
※基本火曜定休日
〇住所
東京都台東区浅草1-19-7
(公式サイト)⇒すき焼き 今半本店

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