戦国時代の後北条氏や江戸時代の小田原藩の城下町として栄え、およそ400年前に東海道五十三次中で最大の規模であった9番目の小田原宿が設けられて賑わった神奈川県小田原市。古名の「小由留木」(こゆるぎ、「淘陵」とも表記)の草書体を読み間違えた説や、原野を開墾して小田となったとの由来説があります。西湘地域の核であり永らく箱根観光の拠点でもあって、豊かな自然の中で海山の産物に恵まれ、蒲鉾や梅干などの特産品で全国に知られており、各所に老舗の飲食店・和菓子店・食品店などが点在しています。
天保年間創業、橋本村からやってきた店主が創業した そば処 橋本
小田原駅から徒歩5分ほど、小田原城近くにある そば処 橋本。詳しい創業年は分からないそうですが、天保年間(1830-1844年)の後半に創業し、170年以上の歴史をお持ちなのだそう。
店主は橋本村(現 橋本市)から小田原へやってきて、屋台蕎麦屋 「蕎麦屋の橋本」として開業し、現在に至ります。地産地消を重視されているお店で、出汁となる乾物、野菜、魚介類、ワサビ等、近隣のものを提供されていらっしゃるそうです。
という橋本の外観はこちら。渋い日本家屋といった感じ。外国人ウケもよさそう。 店頭にはディスプレイも飾られています。左下にある「1番人気」の桜えび天ざるとか、見るからに美味しそう…。 店内に入りました。桜えびのかき揚げの気持ちでいたのですが、相模湾の釜揚げしらす、という文字が!な、悩む…。 今回は釜揚げしらす丼と2種類の蕎麦をチョイス。しらす大好きなことに加え、蕎麦2種類に惹かれちゃいまして。これで1250円は豪華!まずは蕎麦その1、とろろ。出汁濃い目のそば汁と超合う。美味しい!そば2種類目は天ぷら。軽めに上がっている感じがとても素敵。
そしてしらし丼。こちらのしらす丼は自分で上にかけて作るタイプ。しらすと大根おろし、たっぷり目の鰹節が付いています。
どーん、と乗っけて、醤油かけて完成。美味い以外の言葉がない。
小田原で蕎麦、という印象が特にないまま橋本さんに伺ったのですが、食べてみて、海の幸に囲まれ、ワサビの産地伊豆にも近い小田原だからこそ食べられる、美味しい蕎麦もあるんだ!という当たり前の事実に向き合い、事前知識がないまま伺うのは罪だなぁ、とちょっと反省しました(と、いいつつ、日によっては5軒以上伺う現状の周り方では、全ての店舗の事前調べは出来ぬままではあるのですけれど)。
とはいえ、そういう状況だからこそ受けられる新鮮なインプレッションもあり、再訪したい店として記憶に刻まれるので、これはこれでありだよね、と自己弁護したりします。なんかどうでも良いことを書いてますが、要は橋本さん最高なので、みなさん行ってくださいね、というお話です。
———そば処 橋本 基本情報———-
〇創業年 天保年間創業 (1830-44年)
〇営業時間
11:00~19:00
※無休
〇住所
神奈川県小田原市栄町1-13-37
(公式サイト)⇒小田原 そば処 橋本