花園万頭の、ぬれ甘なっと入り あんみつ / 東京 新宿 1834年創業 (天保5年)

江戸時代初期、信州高遠藩内藤家の下屋敷に甲州街道の新・宿場町として開かれて栄えた四谷内藤新宿(江戸四宿の一つ)に由来する新宿区新宿は、関東大震災後の東京西郊外の人口急増や昭和の大戦後の商業地復興に伴い発展してきました。渋谷・池袋と並ぶ三大副都心の一つとして、利用者数が世界一のターミナルであるJR・各私鉄の新宿駅東口方面が有数の繁華街・ショッピング街として賑わい、新宿3丁目などを中心に老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店などが何軒も残っています。

1834年創業、2018年の破綻から復活した 花園万頭

新宿駅から徒歩8分ほど、新宿三丁目駅か徒歩5分ほどの場所にある花園万頭 本店。1834年(天保5年)に金沢で創業、明治39年に東京・青山へ進出、その後東京で複数店舗を構えるまでに至りました。ですが、昭和4年に工場で火災があり、工場・店舗を焼失。その翌年 昭和5年に、現在の本店がある新宿の花園神社近くで再建、という激動の歴史をお持ちです。屋号の「花園万頭」は、新宿 花園神社にちなんだ饅頭を完成させた際に、今の名前へと改められたそうです。

その後、2018年5月で破産で大きなニュースとなりましたが(ページ下部で解説)、現在は銀座千疋屋さんに事業譲渡で復活し、新宿本店をはじめ、日本全国10か所以上で営業をされています。

前提が長くなりましたが、こちらが店舗外観。

本店は店頭販売以外にカフェ営業もされています。今回はカフェでお茶をしてきました。花園万頭さんといえば、店名でもある「花園万頭」と、「ぬれ甘なっと」が名物。前者は残念ながら売り切れでしたので、今回は「ぬれ甘なっと」を使ったスイーツをオーダーしました。

その「ぬれ甘なっと」入りのスイーツが、こちらのあんみつです。

少し寄りで。餡子の代わりに「ぬれ甘なっと」が乗っかっています。この程よい甘み、最高だなぁ。

という花園万頭さんですが、世間的に大きなニュースとなったのは、2018年6月に東京商工リサーチのこちらのニュースでした。そう、18年5月31日に破産されているのです。

 (株)花園万頭(TSR企業コード:290958687、法人番号:1011101017476、新宿区新宿5-16-15、設立昭和28年1月13日、資本金4000万円、石川一弥社長)は5月31日、東京地裁に破産を申請し同日、保全管理命令を受けた。

破産されたものの、1か月経たないうちに、同じく老舗である銀座千疋屋さんに事業譲渡という形で、新たに再建される形となりました。東京商工リサーチの記事はこちら

 6月28日、(株)花園万頭(TSR企業コード:290958687、新宿区)は、(株))パティスリー銀座千疋屋(TSR企業コード:297343246、東京都中央区)をスポンサーとする事業譲渡契約を締結した。花園万頭は5月31日、負債24億4124万円を抱え、東京地裁に破産を申請。その後、スポンサーの選定を進めていた。
事業譲渡の概要は、パティスリー銀座千疋屋が受け皿会社として100%出資子会社(株)花園万頭(TSR企業コード:028340612、東京都中央区、設立平成30年6月、資本金4800万円、花里正之社長、以下、新花園万頭)を新たに設立。花園万頭が手掛けていた和洋菓子の製造販売事業を6月29日付で新花園万頭に譲渡する。新花園万頭は花園万頭の一切の債務を承継しない。

この事業譲渡があったおかげで、我々は2019年現在も、「花園万頭」も、「ぬれ甘なっと」も楽しむことが出来るのです。破産してしまったことは悲しいですが、こういった形で事業継続されているのは嬉しいことですね。

——- 花園万頭 基本情報———-
〇創業年 1834年創業 / 天保5年創業
〇営業時間
10:00-19:00
※無休
〇住所
東京都新宿区新宿5-16-11
(公式サイト)⇒ 東京新宿花園万頭| 甘納豆の歴史を作った200年の伝統を持つ和菓子

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