赤土が多く坂が多かったからなど複数の地名由来説がある港区赤坂。江戸時代には江戸城赤坂御門(見附)が築かれ、明治以降は都心部有数の邸宅街となりました。やがて花街が生まれ料亭等が建ち並び、放送局が開局、飲食店やナイトクラブ等の遊興施設も林立。昭和中期~後期は料亭街が政・財界人等で栄え、外国人・芸能人等も多く集う東京有数の繁華街として賑わいました。現在は新旧の建物が混在し、企業本社も多いビジネス街としても繁華街としても昼夜賑わう中に、老舗の飲食店・和洋菓子店などが数多く点在しています。
1921年創業、お座敷天ぷらという形式を開発した元祖のお店 花むら
赤坂駅から徒歩4分程度の場所、路地裏と言って良い場所にある 花むら。1921年(大正10年)に、池之端で創業し、戦後赤坂へと店舗を移されました。創業者である川部米夫氏は、元々報知新聞の記者だったそうですが、各地を食べ歩くうちに天ぷらに魅了され、天ぷら屋さんを開業するに至ったそう。花むら、というお名前は「花長」と「喜多むら」という当時の有名店から頂いたお名前なのだとか(東京老舗ごはん 大正の味から抜粋)。現在の店主は3代目の川部 幸二氏。TBSのチューボーですよ!で、赤坂の巨匠を務められていた方です。
という花むらさんの外観はこちら。玄関だけ見ると狭そうですが、奥に広い2階建ての建物です。
メニュー表も店外に掲示されていました。ガラスに映るおじさんのことは無視してください(私ですw)。 こちらがメニュー表。ランチコースは3800円~。ちょっと良いことがあった時の価格感ですね。席は掘り炬燵のようなお座敷タイプ。このお座敷で天ぷらを食べる、という高級天ぷら屋さんのスタイルを作り上げたのが、この花むらさんなんです。
まずは、つきだしが2品出てきます。
見た目から楽しめる繊細なお仕事ですね。
天ぷらの一品目は海老。プリっぷりってこの海老のために生まれたかのようなプリプリぶり。美味しい。
コースでは季節の野菜と魚介類がバランスよく出てきました。蓮根とか、サクサク具合が最高!
そしてキス。東京の天ぷらって感じがしますよね。
こちらは名前を失念。季節のお魚であるとご説明頂きました。 椎茸もジューシーで美味い! アスパラも芯が残らずサクッと食べられる。美味しいなぁ。茄子。茄子は天ぷらにすると3ランクぐらい美味しくなると思うのは気のせいでしょうか。
がぼちゃも甘くって美味しい。ラストを飾ったのは、江戸前の種といえば、のアナゴ。最高か。 天ぷらコースが一通り出ると、かき揚げを天丼として食べるか、ご飯とかき揚げを別々に出すか、と問いかけが。どっちも好きだから難問すぎるな…。今回は天丼コースにしました。いやー、色が奇麗。控えめに付けられた天つゆが良い味を出しています。もう後2杯ぐらい行けそうな美味しさ。 赤だしはなめこ入りでした。
最後にデザート。抹茶のムースに餡子とイチゴ。
花むらさん、路地裏にある知る人ぞ知る高級店、といった感じで、外観からは見えない高級感が店舗内に漂っていました。お客さんは接待と思われる方が多かったです。いらっしゃっていた外国の方も、凄く美味しそうに召し上がっていらっしゃいて、ここは確かに雰囲気も味も「ザ・日本」って感じがあるので、今度私も外国人友達を連れてきたいな、と思いました。ちょっとした贅沢の際や、大切な友人が日本へやって来た時に、使ってみたいと思います。
——-花むら 基本情報———-
〇創業年 1921年創業 / 大正10年創業
〇営業時間
※火曜日 定休日
〇住所
東京都港区赤坂6-6-5
(公式サイト) ⇒ 老舗「赤坂 花むら」|東京赤坂で創業大正10年老舗のお座敷天ぷらの店