江戸時代初期から開発が進み、京都・室町に町名を由来するとされる日本橋室町。魚市場発祥の地でもあり、呉服問屋などが店を構えた江戸最大の大繁華街でした。大小の企業が立地するビジネス街の中に、老舗の飲食店や商店が数多く残っております。
1850年創業、料理屋として創業し折り詰め弁当屋へと転業した 日本橋弁松総本店
三越駅前から徒歩4分ほどの場所にある 日本橋弁松総本店。弁松さんは1810年(文化7年)に、樋口与一氏によって、日本橋の魚河岸で創業された料理店 樋口屋を創業したことでその歴史が始まりました。料理店を営業されていた樋口屋さんですが、時間のない魚河岸の人たちは食べきる前に席を立つ方が多かったそう。そんな人々にお持ち帰り用を提供し始めたことが、日本橋弁松総本店さん、創業のきっかけとなります。
三代目樋口松次郎氏の時代には、弁当販売が主流となり「弁当屋の松次郎」を略し「弁松」と呼ばれるように。そんなころ料理店を店じまいし、1850年(嘉永3年)に折詰料理専門店「弁松」を創業。この年を日本橋弁松総本店さんの創業年としています。日本橋弁松総本店さんは、食事処時代を含めると現存する日本最古のお弁当屋さんとなるそうです。凄い歴史!
という日本橋弁松総本店さんの外観がこちら。お弁当自体は色んな場所で売っていますが、本店派の私は本店に来ました。
本店はあまり数を置いていないので、お昼過ぎると売り切れていることが多いです。この日はオープンしてすぐの時間帯を狙っていきました。
購入したのがこちら。並六弁当です。
お弁当は2段になっており、一段が御飯、一段がおかずとなります。江戸の味を引き継いだおかずは結構味濃い目!この濃い味のおかずで御飯を食べるのです。左上にある白いんげん豆のきんとん、煮物、めかじきの照り焼き、玉子焼き、蒲鉾と美味しいものだらけ!
お弁当には歴史を説明した紙も入っていました。あまからで濃ゆいが創業当時からの伝統なのです。 こちらがパンフレット。甘辛の濃ゆい味は、「日持ちをさせるため」、「江戸っ子の見栄と粋」、「創業当時の時代背景」等あるそうです。
日本橋弁松総本店さんのお弁当、本店で買うぞ!と決めて伺うものの、2回連続で売り切れで振られ、今回3度目の正直で購入することが出来ました。伝統の甘辛で濃ゆい味、個人的にはかなり大好物な味付けでした。今回は白米と食べたので、次回は赤飯と食べたい!!
——-日本橋弁松総本店 基本情報———-
〇創業年 1850年創業 / 嘉永3年創業
〇営業時間
〔月~金〕9:30~15:00
〔土・日・祝日〕9:30~12:30
※定休日なし
〇住所
東京都中央区日本橋室町1-10-7
(公式サイト)⇒ 折詰弁当 日本橋弁松総本店