名古屋市熱田区は、三種の神器の一つである草薙剣(くさなぎのつるぎ)を祀る熱田神宮の鳥居前町として古代から栄えました。江戸時代は東海道53次で最大の宿場であった41番目の宮宿(宮の宿/熱田宿)として繁栄し、尾張藩により名古屋城下・岐阜と同様に町奉行の管轄地とされていました。宮宿は港町でもあり、七里の渡しで桑名宿(53次中42番目、三重県桑名市)と結ばれ、江戸中期以降は四日市宿(53次中43番目、三重県四日市)への十里の渡しの航路もありました。JR・名古屋鉄道等の金山駅周辺は再開発が進み副都心として整備されてきていますが、熱田神宮周辺は庶民的な風情の町として老舗の飲食店なども残っています。
1873年創業、ひつまぶしの発祥店の一つ あつた蓬莱軒
地下鉄名城線伝馬町駅から徒歩7分ほどの場所にある あつた蓬莱軒。1873年(明治6年)に、旧東海道 41番目の宿場町であった宮宿の陣屋(藩の藩庁が置かれた屋敷)の跡地で料亭として創業されました。陣屋の跡地で創業したことから、陣屋本店と呼ばれることもあるそうです。あつた蓬莱軒という屋号は、昔熱田の地が、蓬莱島(蓬莱)と呼ばれていた事に因んでいるそうです。
という、あつた蓬莱軒の外観がこちら。この圧倒的迫力…!少し気後れしましたw。看板には蓬莱陣屋とありますね。
中に入りました。オープン直後だったので、すんなり入店。席から見える日本庭園が素敵です。
メニューがこちら。ひつまぶしのお店として有名ですが、料亭として歴史が始まっている同店は、今も鰻以外の和食メニューも豊富なんです。
今回はひつまぶしを食べに来たので、ひつまぶし一択です。どうですか、このインパクト!最高か。テンションあがったので、寄り目のカット。しっかりと焼けたこの鰻、最高に美味そう!!!
お吸い物的なものがこちら。お麩と湯葉が入っている豪華版!
ひつまぶし、ご存知ない方向けに食べ方説明書もありました。ひつまぶしは、あつた蓬莱軒さんが登録商標を持たれていて、発祥の店とされています(諸説あり)。
まずは1膳目、普通に盛り付けて食べます。うぁー、最高だ。
二膳目は薬味を乗せて。薬味はこんな感じで用意されています。 薬味を乗せた図がこちら。ワサビと鰻を合わせた人は天才に違いない。
三膳目はお茶漬けで。一番さっぱり食べられる方法ですね。お茶漬けも美味い!!
そして4膳目はお好きなスタイルで、ですが、写真撮り漏れました。私は基本お茶漬けおかわりが4膳目になることが多いです。いやー、いつ食べても最高ですね。本店で食べたのは初めてでしたが、雰囲気も相まって他の店舗より美味しい気がします。まあ、本店マジックということでw。
ひつまぶしのこと、書いていなかったので簡単に説明を。ひつまぶしは発祥をうたうお店が複数あるのですが、あつた蓬莱軒もその一つ。あつた蓬莱軒さんは、明治時代に鰻丼の出前に使っていた器が割れることが多かったことから、木の器とお櫃で出前するスタイルに変更。その結果、上のウナギばかり先に取られご飯が残りやすくなってしまったことから、鰻を細かく刻み、ご飯と混ぜて提供する、という形になったそう。それがひつまぶしの原型となったのだとか。発祥や元祖は色々主張があるので、判断が難しいですが、あつた蓬莱軒さんのひつまぶしがめちゃんこ美味いことは間違いないです、はい。また食べた過ぎます。
——–あつた蓬莱軒 基本情報———-
〇創業年 1873年創業 / 明治6年創業
〇営業時間
・11:30~14:00(L.O)
・16:30~20:30(L.O)
※毎週水曜日・第2、第4木曜日 定休日(祝日は営業)
〇住所
愛知県名古屋市熱田区神戸町503
(公式サイト)⇒ あつた蓬莱軒