品川区東大井には、江戸時代に土佐藩下屋敷や仙台・越前鯖江・薩摩各藩の大名屋敷がありました。幕末にペリー率いる黒船来航時には、坂本龍馬が当地の土佐藩管轄・浜川砲台での沿岸警備任務で着任していたことから、京浜急行電鉄・立会川駅前に高知県から贈呈された龍馬の立像が設置されています。町域のほとんどは住宅地ですが、東部の運河沿いは倉庫等の工業用地となっており、JR大井町駅東口周辺は商業地で賑わっています。この町にも老舗の飲食店が残っていますよ。
1856年創業、旧東海道沿いにある蕎麦屋 吉田家
立会川駅から5分ほど歩いた旧東海道沿いに、蕎麦の老舗 吉田家はあります。
この周辺は東海道としてかつては日本の大動脈だったエリア。この立会川もその限りではありません。
古くは土佐藩下屋敷や浜川砲台など、歴史の所縁深い建物があった地域に長く店を構える吉田家。
店の歴史がはじまるのは1856年(安政3年)。当時から東海道を行き来する旅客の腹を満たしてきました。
今回オーダーしたのは国産松茸御膳。
吉田家は老舗のお蕎麦屋さん。なのですが、丁度秋真っ只中。ということもあり、オーダーするならコレでしょう。
良質な蕎麦の実を使ったほんの少しザラついた歯応えのある麺がお汁に絡みます。
これはズズッと音を立てて小粋に嗜みたいところ。
松茸の上品で芳醇な香りが立ち込めてきます。本当に贅沢…!
小鉢の御刺身。こちらも蕎麦と松茸ご飯との相性も抜群です。
シッカリと出汁の効いた茶碗蒸しです。そんなダシの中に玉子の風味もほんのりと残っていてプリップリで具材も大きい。
一皿では足りないくらいです。
店内には風情漂う池がありまして、優雅に鯉が泳いでいます。
大広間ではこの池を悠々と眺めることができ、宴に華を添えてくれます。
こちらは場所的にも羽田空港からもさほど遠くなく、地方からの客人をおもてなしをしたり、東京から帰路に着く前のフィナーレを飾る食処にもピッタリかと思われます。
———-そば会席 立会川 吉田家 基本情報———-
・創業年
・1856年(安政3年)
・営業時間
【月・水~金】
ランチ 11:00~14:30
(L.O.14:00)
ディナー 17:00~21:00
(L.O.20:30)
【土】
11:00~21:00
(L.O.20:30)
【日・祝日】
11:00~20:30
(L.O.20:00)
・住所
・〒140-0011 東京都品川区東大井2-15-13