月寒総本舗で月寒あんぱん / 北海道 札幌市 1906年創業 (明治39年創業)

札幌市南東部の豊平区は、豊平川等の河川も多く、南部には緑豊かな丘陵地・山林が広がっています。1859年(安政6年)頃に“札幌越新道(現・小樽市銭函~札幌)”が開かれ、通行屋(旅客休憩・宿泊施設)・豊平川渡船場の管理人として“札幌開祖”と称される志村鐵一の一家が和人として初めて定住した場所です。1871年(明治4年)に岩手県人が月寒(つきさっぷ、1944年以降つきさむ)・平岸・福住に入植して翌年以降に月寒・平岸・豊平の各村が逐次開村され、1902年(明治35年)に3村が合併して豊平村(後に豊平町)となり、1961年(昭和36年)に札幌市と合併しました。豊平はアイヌ語で豊平川の一部川岸を指す“トイェ・ビラ(崩れた岸)”に漢字を充てた地名です。自然豊かな豊平・月寒・西岡の各公園が市民の憩いの場となっており、プロ野球の北海道日本ハムファイターズ本拠地球場の札幌ドームは、日本唯一の完全屋内天然芝サッカースタジアムでもあります。区内には老舗の和洋菓子・食品店も残っています。

1906年創業、月寒あんぱんが名物の月寒総本舗

月寒あんぱんの月寒という言葉、初耳であったため、食べ物の形状か何かに由来するものかと思っていたのですが、月寒という地名から来ているものでした。月寒という地名の由来は諸説あるそうですが、アイヌ語である「チ・キサ・ㇷ゚(トゥ・ケㇱ・サㇷ゚の説もあり)」が「つきさっぷ」となり1943年に月寒となったそうです(wikipediaの月寒のページに詳しい説明があります)。

そんな月寒で生まれたあんぱん = 月寒あんぱんとなりますが、月寒あんぱんの本社は今も月寒に拠点を構えています。こちらが本店の様子。

入ると、様々な種類のあんぱんが並べられています。こちらのあんぱんは、所謂普通のあんぱんをイメージとはちょっと違う形状です。あんぱんというよりも、月餅に近い形です。

月寒あんぱん誕生のルーツは、東京の「桜あんぱん」

月寒あんぱん誕生については、月寒あんぱん本舗さんが公開している動画 「月寒あんぱん物語」に詳しいですが、ポイントを抜粋すると

・東京の「桜あんぱん」が大人気だと仙台に伝わる
・仙台の大沼氏が、桜あんぱんをもとに、独自のあんぱんを考案
(当時は通信手段も少なく、レシピが簡単に伝わる状況でなかった)
・その製法を受け継いだ「大原屋本間商店」の本間氏が北海道の陸軍歩兵第25連隊内で販売 ⇒ 大人気に!、これが月寒あんぱんとなった。
・月寒で道路建設の際には、このあんぱんが配られ、今もあんぱん道路として知られている。

ということらしいです。

動画は2分ちょっとなので是非見てください。

ということで、月寒あんぱん買ってきました。通常のシリーズと、復刻版の2種類があったのですが、老舗愛好家としては、当時に近い状態のものが食べたくなり復刻版をチョイス。

こんな感じで、あんこがぎっしり入っています。月餅のような感じで、通常のあんぱんと比べて、製造から一か月保存可能なのが特徴です。

月寒あんぱんは、素朴なあんぱんではありますが、北海道産の食材を丁寧に扱っている、食べると安心できる老舗の味がします。今回は自分の分だけ買ってきましたが、サイズもコンパクトで日持ちもしますので、北海道のお土産として活用しやすいかもしれません。

———-月寒総本店 基本情報———-
〇創業年 明治39年 / 1906年創業
〇営業時間
9:00~19:00(1月1・2・3日 休業)
〇住所
〒062-0020 北海道札幌市豊平区月寒中央通8-1-10 月寒中央ビル 1F
(公式サイト)⇒ 月寒あんぱん本舗 株式会社ほんま

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