新潟県南西部(上越地方)の上越(じょうえつ)市は、1971年(昭和46年)に高田市(内陸城下町)と直江津市(北部沿岸港町)とが合併して発足し、2005年(平成17年)に周辺13町村を編入して、県内では村上市に次ぐ第2位の面積で新潟・長岡各市に次ぐ第3位の人口となりました。米(上越こしひかり)・枝豆・越の丸茄子・頸城(くびき)牛・ぴりっ子(しし唐辛子・神楽南蛮の辛味調味料)等の特産物・名物や笹寿司・おぼろ豆腐・里芋なます・芋茎酢漬・深鮫煮凝り等の郷土料理があります。高田城址公園の夜桜(日本三大夜桜)で知られる市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が点在しています。
1624年創業、400年以上の歴史を持つ 髙橋孫左衛門商店
えちごトキめき鉄道 南高田駅から徒歩12分ほど、上越妙高駅から車で10分ほどの場所にある 髙橋孫左衛門商店。1624年(寛永元年)に、越前松平家の家臣であった初代が、高田城下に菓子屋を創業したことでその歴史が始まります。高田藩主の御用菓子司を務めた、日本で一番歴史が古い可能性のある飴屋さんの一つです。古くは十返舎一九が訪れ、看板商品の笹飴は夏目漱石の坊ちゃんにも登場し、明治天皇が購入し昭和天皇が崩御前にお求めになったのが髙橋孫左衛門商店の水飴だった等、多くのエピソードのあるお店です。
という、髙橋孫左衛門商店さんの外観です。ずっと期待と思っていたお店です。寛永年間創業の文字が眩しい…!
お店の左側には「十返舎一九ゆかりの地」という碑も立っていますよ。
店内に入りました。歴史を感じるどっしり感が堪らないですね。
看板商品の一つ翁飴は、1723年に3代目孫左衛門氏が生み出したとのこと。明治以降に宮内庁御用達となっています。
翁飴はこんな感じでディスプレイされていました。
髙橋孫左衛門商店さんは、浮世絵にも登場しております。粟飴の文字が見えますね。
こちらはもう一つの代表銘菓・笹餅です。坊ちゃんに登場することもあり、夏目漱石のイラストが載っています。
まずは笹飴の方からご紹介です。
パッケージ裏側です。絶対に噛まないで、と書かれているのが優しさです。
こんな感じで粟飴に包まれています。で、開けると飴が出てくるのです。
オープンするとこんな感じ。水飴・米・麦芽で作られた粟飴で瓢箪型をしています。この優しい甘さが美味しいんですよねぇ。
これは別タイミングですが、もう一つの名物翁飴を購入しております。
こんな感じで複数個入っています。
一つ取り出した図。
開けるとこんな感じです。水飴に寒天を混ぜて作られたもので、食感はグミに近いです。3代目のご主人が大阪へ修業に行った際に「寒天」と出会い生まれた商品とのこと。乾燥させたことで賞味期限が伸び、参勤交代のお土産としても使われたそうですよ。モチモチしてて美味しいです。 中にはパンフレットも入っていました。すごい受賞歴!
商品パンフレットも入っています。水飴も食べてみたいなぁ。こちらの水飴の黄色が買った綺麗な透明色から「飴色」の語源になったとも言われています。
翁飴、歴史の長い商品にも関わらず現代的な食感のお菓子でびっくりしました。ほのかな甘みのあるグミ的な食べ物です。今の時代の人が食べても美味しと感じられると思いますが、江戸時代・明治時代の人が食べたら、味以上に食感に感動をしたのだろうなぁ、と感じます。笹飴のほうも、熊笹の香りが飴の甘さと合わさって、初めて食べたのに田舎が思い出せる郷愁の味でした。世の中まだまだ知らないお菓子があるなぁ。
↓楽天から購入できますよ。
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——-髙橋孫左衛門商店 基本情報———-
〇創業年 1624年創業 / 寛永元年創業
〇営業時間
・08:30 – 18:30
※水曜日定休日 (8月は営業)
〇住所
新潟県上越市南本町3-7-2
(公式サイト)⇒ 髙橋孫左衛門商店