三重県桑名市は、桑名開発の祖である豪族・桑名首(くわなのおびと)の名に由来してその名がとられた街(諸説あり)。木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)の河口に立地し、平安時代より京都周辺と尾張以東との間の物資輸送中継点として、桑名藩11万石の城下町・港町として、東海道53次の42番目・桑名宿として賑わいました。明治中期から昭和初期までは江戸期の桑名米会所を引き継ぎ大阪堂島・東京蠣殻町・山口赤間関と並ぶ主要米穀取引所のあった場所でもあります。七里の渡し場跡の伊勢国一の鳥居は伊勢神宮式年遷宮毎に建て替えられ、ナガシマスパーランド等の観光名所が数多くあります。「その手は桑名の焼き蛤」を生んだ蛤料理でも知られ、安永餅・八壺豆(多度豆)・都饅頭等の名物菓子も多く、歴史と現代とが交錯する中に老舗の飲食店・和菓子店・食品店などが数多く点在しています。
1634年創業、桑名の代表銘菓 安永餅を販売する 永餅屋老舗
桑名駅から徒歩4分ほどの場所、国道一号線沿いにあるのが永餅屋老舗。1634年(寛永11年)に、桑名宿 安永立場で「やすながや」として創業されました。この地で販売された安永餅は、参勤交代で訪れた諸大名や、お伊勢参りの旅人に愛された、細長いお餅です。当時は、「ともち」や、「牛の舌もち」とも呼ばれていたそうです。
こちらが永餅屋老舗の外観。味のある看板の下にリニューアルしてキレイになった和モダンなお店が入っています。明治27年にこの場所に移られました。 店舗に入ると安永餅がずらっと並んでいます。はまぐりサブレーと都饅頭もよく知られたお菓子です(私の地元なので、詳しいのですw)。 こちらがその安永餅。細長いお餅なんです。細長いお餅の中に粒あんが入っており、そのお餅を焼き上げているので、香ばしい香りがします。オーブンで温めるともっと美味しくなるんですよ。
安永餅は松平定信が考案したという伝承もありますが、史料等は残っておらず詳細は分かっておりません。が、この細長いお餅は、桑名だけでなく、四日市や鈴鹿にも同型の細長いお餅が販売されており(四日市なら「なが餅笹井屋」が有名ですね)、桑名というより三重県の北東部でかなりメジャーなお菓子なんです。
その中でも圧倒的知名度なのが、今回訪問した永餅屋さんで、子供のころから永餅屋さんのCM
桑名名物安永餅 お口の中で溶けちゃうよ 永くておいしい安永餅 安永餅の永餅屋 おいしーい
は、何度も見聞きしているんです。お店に入った瞬間に、メロディーを思い出し、子供のころの記憶って怖いなw、と思いました。もう20年以上はCMに触れていないはずなのに、今も歌えてしまうんです。凄くないですか。少し関係ない話を最後に書いてしまいましたが、桑名にいらっしゃった際には、ぜひ食べてみてください。我々のソウルフード的食べ物の一つです。
——–永餅屋老舗 基本情報———-
〇創業年 寛永11年創業 / 1634年創業
〇営業時間
8:00~19:30
※年中無休
〇住所
三重県桑名市有楽町35
(公式サイト)⇒ 永餅屋老舗
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