岡山市中区は市内を流れる旭川と百間川の間に立地し、市内では最小面積で最大人口密度の行政区です。江戸期には岡山藩主・池田氏が北部に多くの神社仏閣を造営しました。南部から児島湾岸にかけての江戸時代からの干拓地である農地は、近年は物流拠点が設置されて工場に転用されてきています。旭川・吉井川水系には天然記念物・アユモドキや蛍の生息地が存在するなど自然環境が豊かなこの町にも老舗の和菓子店が複数残っています。
1856年創業、きびだんごを生み出した元祖のお店 廣榮堂本店
岡山駅からバスと徒歩合わせて10分ほどの場所にある 廣榮堂本店。廣瀬屋という7代ほど続いた瀬戸物屋さんが、1856年(安政3年)に創業したのが、廣榮堂さんです。すぐ隣に廣榮堂武田さん、という同じ歴史、同じ創業年・同じ廣榮堂の名、同じくきびだんごの元祖を名乗られているお店があります。元々あった廣榮堂というお店から、戦後に広栄製菓さんが独立し廣榮堂本店となります。商標の関係から同じ廣榮堂が登記できず、廣榮堂武田として株式会社化したとのこと。源流である廣榮堂さんが、今の形のきびだんごの元祖を生み出したとされ、双方ともに元祖きびだんごを販売されていらっしゃいます。
という廣榮堂本店さんの中納言本店は現在改装中。仮設店舗で営業中なんです。
その仮設店舗がこちら。本店復活が待ち遠しいですね。 店舗に入りました。沢山の種類のきびだんごが並んでいます。少しアップの写真です。五味太郎さんデザインのパッケージ、カワユイですよね。 今回は2種類買ってきました。右が白桃、左がプレインなきびだんごとなります。 パッケージを開けると、こんな感じで個包装されています。全部が五味さんのデザイン入り。カワイイ!
こちらが白桃のきびだんご。ほんのりピンク。くどくない甘さが良いですね。 こちらがプレインなきびだんご。甘さのほんのり具合が更に上がりますが、昔ながら感があって美味しいです。
と、その後追加で購入したのがこちらの調布。その昔、租税として朝廷に納められた手織りの巻布・調布に似ていることが命名の由来だそうです。
こちら、パッケージ裏側。命名の由来が書かれています。調布は廣榮堂さんだけでなく地域の複数のお菓子屋さんで売られているものです。江戸時代末期・倉敷市生まれの和菓子職人・間野与平によって考案され、その後岡山で自身が創業した金華堂で販売されたお菓子になります(廃業し、その製法が各地に広まったようです)。
こんな感じで、カステラに求肥が巻かれています。この食感凄く良いなぁ。
廣榮堂本店さんとお隣の廣榮堂武田さんは一緒にお伺いしたので、きびだんごを食べ比べることができました。どちらも美味しかったのですが、
・廣榮堂本店さんは洗練されたお団子の美味しさ
・廣榮堂武田さんは昔ながらのほんのりした美味しさ
と、美味しさの方向性が若干異なりました。どちらもとっても美味しくて、どちらが好みかはかなり人によるだろうなぁ、と思います(一緒に食べ比べた6人は、ちょうど3対3に分かれました)。みなさん是非食べ比べてみてください!
———廣榮堂本店 基本情報———-
〇創業年 1856年創業 / 安政3年創業
〇営業時間
・平日 8:00~19:00
・土・日・祝 9:00~18:00
※定休日なし
〇住所
岡山県岡山市中区中納言町7-32
(公式サイト)⇒ きびだんご・和菓子 廣榮堂本店