高級店から大衆店、甘味・軽食・ディナーまで何でも老舗で揃えられる街、浅草。そんな浅草にある、江戸前の技術を受け継いでいるお寿司屋さんへ伺いました。
1866年創業、江戸前寿司の始祖 華屋与兵衛の流れをくむ 弁天山美家古寿司
銀座線浅草駅から3分ほどの場所にある、弁天山美家古寿司。江戸前寿司の始祖 華屋与兵衛の流れをくむ「千住みやこ寿司」で修行をした初代 金七氏が1866年(慶応年間)に「みやこ寿司」を開業しました。現在の屋号 美家古寿司となったのは創業50周年がきっかけ。3代目 竹三郎氏が50周年を迎えた際に、自作の俳句「美(み)どり濃き 家(や)なぎ寿く 古(こ)としかな」の句を読みあげたことに由来するそうです。
こちらが店舗外観。リニューアルされ店舗はかなり奇麗です。 こちら看板のショット。創業慶應二年の文字が眩しい。 こちらがメニュー。セット系のメニューが沢山あります。今回は思い切って、1番高い美家古(みやこ)10,250円をオーダーしました。 今回はカウンターが空いていなかったので、テーブルに運んでもらう形となりました。まずはガリ。キラキラしていて奇麗!
まずは最初の6カンがやってきました。煮切りしょう油付きで提供されています。全てがひと手間かけられたネタ。コハダ、最高だった!
次の5カン。シャコが甘くって美味しい!蒸した海老も、しっとりしていてビックリ。海老ってパサパサしてること多いので、あんまり好きでなかったりもするんですが、ちゃんとした仕事の海老は当たり前だけどすんごく美味い! 最後の6カン、サヨリの細工寿司がカッコいい! サヨリの細工寿司、わらび造りと言うそう。繊細で深い味。美味しくって、かっこよくって最高! 最後の〆に巻物。干ぴょう巻き、美味しいなぁ。
こちらの美家古寿司さんを知ったのは、美味しんぼに掲載されていたことがきっかけで、漫画内でも江戸前の伝統を守るお店としての紹介されていました。読んで以来ずっと来てみたかったのですが、中々機会に恵まれなかったのですよね。
今回サヨリの細工寿司を見て、その技術の繊細さに驚いたと共に、こういった技術が受け継がれていることを知り、なんだか嬉しくなりました。テーブルだったので、あまりお話を伺えなかったのですが、次回はカウンターでお話を伺いながら食べてみたいです。
——- 弁天山美家古寿司 基本情報———-
〇創業年 1866年創業 / 慶応2年創業
〇営業時間
【昼】 12:00~14:30(最終入店14:00)
【夜】 17:00~21:00(最終入店20:00)
【日曜】 11:30~18:30(最終入店18:00)
※月曜日・第三日曜日 定休日
〇住所
東京都台東区浅草2-1-16
(公式サイト)⇒ 浅草江戸前寿司|弁天山美家古寿司 – 江戸前ずしの古典的技法を守り続ける老舗
・料理屋や割烹などでも、さよりの造りは、わらび、網代、井桁、杉盛りなど概ね細工切りにして供されますね。握りでも片身づけのままもありましたが、わらびや網代で出された事もありました。
・確か、弁天山美家古寿司では、茹でた車海老は氷水で冷やして塩をあてたものを塩抜きしてから甘酢に一日漬け込む手間をかけていたと記憶しています。穴子も爽やかにさっと煮た白っぽいさわ煮(沢煮)で、鯛や平目は昆布締めで、江戸前と云えばこれ、の小肌も時季に合わせた塩加減素加減で、玉子も最近どこでも厚焼きや出汁巻きばかりですが、こちらは昔はどこでもそうだった芝海老すり身入り薄焼きの鞍掛ですし。江戸前の伝統的技法は総ての寿司に光っていて、見ただけでは判らなくても食べれば唸る事ばかりですよね。
・弁天山美家古寿司の知る人ぞ知る人気品に、代々女将に受け継がれてきた要予約の“まかないいなり”が有ります。これは、浅草伝法院通りの豆腐店である栃木家商店でも(7~9月を除き、美家古寿司定休日以外の午後12時半前後から)販売しています。一寸高価ですが、栃木家商店の油揚げを使い、酢飯には細かく刻んだ煮烏賊げそや酢蓮や干瓢やガリ等や白胡麻が混ぜてあります。
・この栃木家商店も明治20年創業の生湯葉豆腐専門店で、国産天然にがりだけで作った豆腐で知られています。
・さよりの造り、まだ殆どお目にかかったことがないのです。今度そういう料亭探していってみます。
良いお店ご存知なら教えて頂けると嬉しいです!
・弁天山美家古寿司さん、全てのネタに手仕事が施されているのは感じ、色々お話を聞いたものの、テーブルにいらっしゃる方はそこまで把握されていなかったのですよね。
カウンターでお話伺いながら食べたかった…。
全てが本当に美味しかったので、色々教えてもらいたかったです…。
ですので、また今度行ってみたいと思います。
・まかないいなりも、栃木家商店さんも、存じ上げませんでした。
まずは気軽に行ける栃木家商店さんに言ってきます!
浅草は最近足が遠のいているので、楽しみです。
・さよりは春~秋口に出回りますが旬は春先~初夏とされていますので、私も過去に
その時期の何處かで何回かお目にかかった程度です。多分(嘗ては自前では行き難い料理屋や寿司屋に連れて行ってくれる奇特な方が何人か居ましたので)何方かに何處ぞでご馳走になった時か接待の席かでに偶々出てきたのでしょう。何處だったかははっきりと覚えていません。
・浅草の栃木家での、弁天山美家古寿司のまかないいなり販売は、既述の通り夏場はやっていませんから無駄足にならないようにご留意下さい。