コティベーカリーで最古のシベリア / 神奈川 横浜 1916年創業 (大正5年)

行政機関や企業が集積する横浜市中区は、山下公園・港の見える丘公園・横浜中華街・元町・伊勢佐木町などの繁華街や行楽・観光地を擁す横浜の中心地の一つ。関内・桜木町地区を中心に老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店などが数多く点在しています。

1916年創業、日本最古のシベリア販売店 コティベーカリー

桜木町駅から5分ほどの距離にあるコティベーカリー。1916年(大正5年)に、日本堂というパン屋さんとしてスタートしました。当時のパン屋さんは徒弟制度があり、修行したお店の暖簾分け時に、元のお店の名前をそのまま付けるののが習慣だったそう。日本堂で修行された方が新たに開業したお店として、日本堂とつけられたのがスタートだそうです。

戦前に始まった日本堂さんが転機を迎えられたのは戦後。小麦粉が統制品となり、パン屋として営業が続けられなくなった日本堂さんは、名前を「喫茶コティ」とし、喫茶店営業を開始されました。統制解除後に、その名前を残し今に続く「コティベーカリー」とされたそうです。
ちなみにコティという名前は、フランスの香水王・フランソワ・コティから取られたそう。戦後流行った香水・化粧品コティから名前を取ったお店が昭和時代に多く開業されていたそうですよ。
(以上の歴史は、コティベーカリーさんのページから抜粋・編集しています)

こちらがコティベーカリーさんの外観。現在のお店は昭和54年に作られたそうです。そのタイミングで、自家製のパンの販売のみに絞られたそうです。

コティベーカリーさんといえばシベリアで知られています。シベリアとは昔様々なパン屋さんで見かけた、カステラの間に羊羹が挟まれた食べ物です。
明治後半から大正初期に生まれた食べ物だそうで、コティベーカリーさんでは大正5年の開業時から販売されています。その当時からシベリアを販売し続けられているのはコティベーカリーさんのみですので、コティベーカリーさんは日本最古のシベリア販売店と呼ばれています。

こんな感じに陳列されています。ちなみに1つぬいぐるみのシベリアが陳列されているの分かりますか?こちらはさらに大きなシベリアのぬいぐるみ。かなりシベリア押しです。

シベリア一つ購入してきました。薄っすらとした記憶では、子供のころ食べたことがあるのですが、コティベーカリーさんのは記憶よりも数倍大きくてびっくりしました。
ちなみにシベリアの名前の由来ですが、小樽の街にあったロシア人の方が経営されていたシベリアという喫茶店の名物であった、や、シベリア鉄道に見立ててつくった、や、日露戦争で戦った元軍人の方が開発したから、等様々な説がありますが、真相は謎となっています。コティベーカリーさんのシベリアはとにかく大きいので一口で食べきれないのです。今回は真ん中から切り分けることにしました。これだと口に入りますw。
シベリア、僕の記憶では、もっと濃い羊羹の味がした気がするのですが、コティベーカリーさんのは真ん中が羊羹というより水羊羹っぽく、結構あっさり食べられました。羊羹+カステラだと口の中の水分が持っていかれすぎるので、この水羊羹+カステラの形が正解なんでしょうね。そしてもう一つの名物甘食(あましょく)も買ってきました。名前は知っていましたが、食べるのは初めてです。明治中ごろに南蛮菓子として作られ始めたそうです。
今回とあるオフィスに持っていったのですが、50・60代の方に「子供のころは良く食べた」と聞きました。私世代(40代)より少し上の人には一般的な食べ物なのかもしれないですね。袋を取った図。パンより少しパサパサしていて、水分が欲しくなる食感。日持ちしそうな印象。

コティベーカリーさんは兎に角「懐かしい」が良く似合うお店で、お店の外観も、お店の方の人懐っこい接客も、やさしい味わいも、全てがなんだか懐かしいんです。
私が伺った時は外国の方もいらっしゃっていたのですが、コティベーカリーさんは、昔ながらのニッポン、を感じてもらいやすいので良い観光スポットなのかもしれません(アニメや映画にも出ているので、来たきっかけは聖地巡礼的なお話だと思いますが)。日本人の方でもきっと「凄く懐かしい!」と思える場所ですよ。横浜観光のついでに足を延ばしてみるのも良いかと思います。

——-コティベーカリー 基本情報———-
〇創業年 大正5年 / 1916年創業
〇営業時間
平日 午前8時~午後8時
祝日 午前9時~午後7時
※基本日曜 定休日
〇住所
神奈川県横浜市中区花咲町2-63
(公式サイト)⇒ 横浜桜木町 シベリアのコティベーカリー

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