北海道東部(道東地方)で太平洋沿岸の釧路(くしろ)市は、1920年(大正9年)発足の(北海道区制)釧路区が1922年(大正11年)に旧市となり、2005年(平成17年)に阿寒郡阿寒町・白糠郡音別町と合併し現市となりました。地名には、クシル(越える・道、標津・斜里へ超えて)・クスリ(薬、川上の温泉から薬水が流出)等々の何れもアイヌ語起源の由来説が多数ありますが不詳です。姫鱒・公魚・助惣鱈・真鱈・秋刀魚・烏賊・ほっけ・柳葉魚・水産加工品(珍味等)・パプリカ・阿寒ポーク・阿寒丹頂和牛・清酒・焼酎・銘菓(丸木舟・しとき・まりも羊羹等)・釧路ラーメン・炉端焼・くしろザンギ・勝手丼・紅鮭飯寿司等の特産品・名物・郷土食があり、市内には老舗の飲食店・和菓子店・食品会社・酒蔵・旅館などが残っています。
1874年創業、北海道中に蕎麦食文化を広めた 竹老園 東家総本店
市立釧路病院のバス停から徒歩17分ほど、釧路駅から車で8分前後の場所にある 竹老園 東家総本店。北海道には最盛期に「東家」を名乗るお蕎麦屋さんが100軒以上あったとされますが、そのルーツがこちらの竹老園 東家総本店さんとなります。現在も釧路・札幌・旭川・苫小牧等に東家から暖簾分けしたお店が複数営業しています。
1874年(明治7年)に、かんだやぶそばで修業をされた伊藤文平氏が小樽にて夜鷹そばの屋台・やまなかを開業したのが創業となります。1877年(明治10年)、小樽にて店舗を構え、1897年(明治30年)に屋号を現在の「東家」へと変更されます。1902年には函館の蕎麦文化の発祥店であるマル南そば店に奉公後に、函館にて東家を開業も火事で焼失、1912年に釧路に店舗を立ち上げるに至ります。その後釧路の店舗も焼失してしまうのですが、1927年(昭和2年)に東家総本店として営業を再開し、1932年(昭和7年)に東家総本店の庭部分を竹老園と命名し現在に至ります。
という、竹老園 東家総本店の外観です。のぼりに「そばの街 くしろ」とあります。釧路市内だけでも東家さんの暖簾分け店が10軒以上あります。
店内に入りました。お水入れが可愛い。
店内に入りました。こちらがメニュー表です。特製品コースには、かしわぬき(スープ)、蘭切り蕎麦、茶そば、そば寿司と各名物が並んでいます。
写真付きのメニューはこんな感じです。暖かい蕎麦も美味しそうだなぁ。
ちなみにテーブルは引き出しが付いていて、お箸が入っています。かわいい。
ということで、今回は特製品コースをオーダーしました。まずはかしわぬき、から。名物かしわ蕎麦のかしわ部分のみになります。
そして、蘭切りそばです。
で、続いて茶そばが。綺麗な濃いめの緑色をしています。
ラストがそば寿司です。優しい味で美味しい。
そしてお庭です。お伺いした日は予約のお客さん用になっておりました。
で、こちらは予約外の人でも見られるエリアです。紅葉が綺麗ですね。
橋の向こうに見えるのは店舗です。
大きめな池もありました。
動物たちの銅像と仏像や五重塔も。風情がありますねぇ。
今回は特製品コースをオーダーしたので、もう1つの名物”もりそば”を食べられなかったのですが、竹老園さんのもりそばはクロレラの粉末で色付けしており、緑がかったお蕎麦になっています。緑色のおそばといえば、かんだやぶさんなので、かんだやぶで修業したことがこの伝統に繋がっているのかしら、なんて。と、話がそれましたが、北海道でずっと行きたい老舗店だったのでお伺いできて大変満足しております。またお伺いできる日が来てほしいなぁ。
——–竹老園 東家総本店 基本情報———-
〇創業年 1874年創業 / 明治7年創業
〇営業時間
・11:00 – 14:30
※火曜日 定休日
〇住所
北海道釧路市柏木町3−19
(公式サイト)⇒ 竹老園 東家総本店 北海道釧路市にある明治創業の老舗蕎麦店