福岡県の県庁所在地・福岡市は、那珂川を境に、福岡藩黒田氏の武家町“福岡”と古来からの国際貿易港・商人町の“博多”として永らく栄えてきましたが、明治初年に統合され福岡(当初は福博)となりました。かつて城下町の外れだった中央区北東部の天神地区が発展して多数の百貨店・商業施設が集積する繁華街となり、市役所が立地し、隣接する大名地区等が若者の町となっています。中北部には福岡城址・大濠公園があり、北西部はペイペイドーム(前ヤフオクドーム)等の施設が集積するシーサイドも町の一部となっています。この町にも老舗の飲食店が残っています。
1901年創業、博多中国料理の草分け 福新楼 (ふくしんろう)
今泉一丁目バス停から徒歩3分、西鉄福岡(天神)駅から徒歩5分ほどの場所にある福新楼。1901年(明治34年)、福建出身の張加枝(ちょう・かし)氏が東中洲で創業した、福岡最古級の中国料理店です。屋号は“福(福岡・福建の福)”と“新(新しい文化)”を重ねた「福新」+“楼(館)”からつけられています。中洲大火や戦中の疎開を経て復活し、戦後に天神へ展開、2014年に今泉へ移転して現在の本店となっています。創業時から福岡スタイルを模索し、2代目・張兆順が生み出した博多皿うどん(福建炒麵)を 名物に、時代に合わせて店づくりを刷新してきた“福岡中華の顔”的なお店となります。
という福新楼産の外観です。大通り(国体道路)から1本入った箇所に、急に中国風の立派な建物が出てきます。
少し正面からの写真です。タクシーでお客さんがやってくる高級店になります。
入り口の看板です。1Fがレストラン、2Fと3Fが個室・宴会場で、4Fが1日1組限定の特別室となります。

こちらが入り口です。高級なホテルのような内装です。

逆サイドからの写真。気分が上がるなぁ。
メニュー表です。1枚目に福新楼の思いがまとまっていました。超簡単にまとめるなら、郷=初心を忘れず、湯=スープが命、素=地元産の素材で安心を、匠=技術をきちんと伝承していく的な感じです。信頼ができるステートメントですね。
名物とえば、福建炒麵こと博多皿うどんです。冷蔵技術が未発達な昭和初期、腐敗の早いチャンポン麺を油で焼いて保存してみたことが誕生のきっかけです。そうして保存した麺は硬くて食べられなかったため、スープで煮込んで戻して炒めてみたところ他にない味わいが生まれ、この料理が誕生したとのことです。
メニューの下部です。乗っている角天は同じ福岡市の100年老舗・西門蒲鉾本店製です。ちなみにこの博多皿うどんは1回の調理に20分、1鍋で5〜6人前ずつ作る形なので、混み合っている時は結構待つ可能性があります。
で、出てきたのがこちらです。私はオーダーしてから15分ぐらいだったので、さほど待たなかった感じです。タイミングが良かったのかな。しっかり炒められたやや食べ応えのある麺は、しっかりと味が染み込んでいてめちゃくちゃ美味しかったです。

ちゃんぽんや皿うどんは長崎の印象が強いですが、九州に広範囲に広がっていて、それぞれ味わいが違って食べ歩くのが楽しい料理です。博多スタイルはちょっと味濃いめのパンチがあるのが特徴で、とはいえ高級店なので繊細な味付けも同居していて、とにかく食がすすむ唯一無二の味わいです。これはまた食べたいなぁ。福新楼さんはその味わい、歴史ともに博多を代表する店舗だと感じており、著書「日本老舗食等大全」でもご紹介させてもらいました。いつか1日1組限定のお部屋で特製コースも食べてみたい。
———福新楼 基本情報———-
〇創業年 1901年創業 (明治34年)
〇営業時間
・11:30 – 20:30
※火曜日 定休日
〇住所
福岡県福岡市中央区今泉1丁目17−8
(公式サイト) ⇒福新楼
