東京都大田区の北東部に位置する「大森北」は、JR大森駅東口を中心に広がる活気ある商業地と、旧東海道の面影を残す史跡、そして海苔問屋の歴史が重なり合う、にぎわい豊かな下町型のまちです。「大森」という地域名は、かつて東京湾に臨む景勝地に「大きな森」があったことに由来するとされています。古代の「大きな森」の記憶から始まり、旧入新井・不入斗の地名の名残、宿場町の史跡、海苔問屋の歴史、そして現代の活気ある商店街の風景が見事に重なり合う、大田区北東部を代表する魅力的なまちです。
1927年創業、大森海苔の記憶を最中に込めた“乃里最中”の和菓子店 よね屋
JR大森駅から徒歩10分ほど、大森郵便局バス停から徒歩3分ほどの場所、大田区大森北4丁目に店を構える 菓子司 よね屋。1927年(昭和2年)に世田谷区代田で和菓子製造販売を始め、戦争を経て1947年(昭和22年)3月から現在の大森北で営業している老舗和菓子店です。戦後まもない1948年には、大田区の戦没者慰霊祭で落雁がお茶菓子として使われ、学校や幼稚園へも紹介されるようになりました。代表銘菓は、大森の名物だった海苔を最中の皮に練り込んだ“乃里最中”。かつて大森沿岸は日本有数の海苔産地でしたが、昭和37年の漁業権放棄、昭和38年の海苔養殖終了により、その風景は姿を消しました。よね屋の乃里最中は、そんな大森海苔の記憶を和菓子として残す一品で、“おおたの逸品 2008”にも選ばれています。
という、よね屋さんの外観です。線路沿いにお店があります。
店内に看板がありました。なんでよね屋というお名前なんだろう?というのを聞き忘れました…。

看板の下では乃里最中のアピールが。大森の海苔の歴史、伝えなきゃですからね。
店内はカウンターにお菓子が各種並んでおります。
おおたの逸品に選ばれた時の盾も飾られていました。
今回は乃里最中と、柏餅を購入しました。
まずは代表銘菓の乃里最中から。
最中皮に海苔が練り込まれ、海苔漁の様子が皮にデザインされています。これ、めっちゃ良いなぁ。

そして、柏餅はこんな感じ。程よい苦味と甘味のバランスが最高に良かった!
私が好きな和菓子屋さんのポイントはいくつかあるのですが、そのうちの一つが、その土地を学ぶきっかけになることです。よね屋さんはまさにそんな一軒で、このお店を通じて大森が海苔の街であったことが理解できますからね。美味しいお菓子を作るのはもちろんですが、その土地と繋がりのあるお菓子を出しているかどうかは、良い老舗和菓子店のリトマス紙のような気がしなくもないです。
