銚子山十、ひ志おは醤油の元祖のような味 / 千葉 銚子市 1630年創業 (寛永7年)

千葉県北東部で関東地方及び県の最東端である銚子(ちょうし)市は、利根川下流から河口の南岸にあり古くから港町として栄え、水揚量日本一の銚子漁港と3つの卸売市場を擁しています。江戸時代以前は飯沼・三前と称された地で、“銚子”の地名は“銚”(元来は生薬煎じ用土瓶・薬缶類で狭小注ぎ口の酒器)に似て、狭小入口で中が拡がる地形に由来し元は“銚子口”と称されていました。名代の入梅鰯(真鰯)や各種鰯・釣り金目・鯖・鮫・鯵・秋刀魚・メヌケ・鮪・鰹等の魚介類や灯台キャベツ・大根・とうもろこし・トマト・銚子メロン各種・苺・西瓜等がが特産で、水産缶詰・海藻こんにゃく・ぬれ煎餅等の名物があり、市内には老舗の和洋菓子店・食品店などが残っています。

1630年創業、ひ志おの味を今に伝える 銚子山十 (ちょうしやまじゅう)

銚子駅から徒歩9分ほどの場所にある 銚子山十。1630年(嘉永7年)に岩崎重治郎氏が紀州(現、和歌山県)で創業されました。醤油造りは和歌山から銚子に伝わったとされていますが、紀州から銚子に移った方は数多くいらっしゃり、1708年(宝永5年)に山十さんも銚子に開業されています。銚子に移られた後も、江戸・明治・大正と銚子で醤油製造等を行われておりましたが、昭和初期時に撤退を決め、その際に現在運営をされている室井家に引き継がれ、今も銚子でビジネスを続けられています。代表商品は「ひ志お」で、味噌・醤油の元祖になったとされる調味料です。

という、銚子山十さんの外観です。2階建の立派な建物です。
店外のディスプレイです。万葉集にひ志おが出ていたと紹介されています。
店内に入りました。お醤油等、多数の商品が並んでいます。
今回買いに来たのは、こちらのひ志おです。ひ志おは中国の古代王朝・周(紀元前700-400年)にも記述が見られる食べ物で、元々は肉や魚の塩蔵方法の1種であったとされています。その後日本に伝わり平安時代には調味料として活用されいました。

という、ひ志おです。小さめのパッケージを買ってきました。
パッケージ裏側です。大豆・大麦・水飴・オリゴ糖・食塩で作られた発酵調味料です。
中に入っていたパンフレットです。野菜鍋・肉じゃが・焼きおにぎり等や、そのままごはん・冷奴につけてをお勧めされています。
1つ取り出した図です。見た目だけだと、岩のりの佃煮のようにも見えます。
取り出した図です。味噌っぽくも見えますが、味はお醤油です。

ひ志お、初めて食べました。銚子山十さんのものが、どれだけ平安期のものと同等なのか見えませんが、醤油に似た味であり、醤油がない時代であればとても重宝されたのでは、と感じる発酵調味料でした。手軽に醤油が手に入る現在において、ひ志おだからこその利用シーンが開発されると、今後も長く使われる調味料になるのかもな、なんて思いました。

—— 銚子山十 基本情報———-
〇創業年  1630年創業 / 寛永7年創業
〇営業時間
・10:00 – 18:00
※日曜日 定休日
〇住所
千葉県銚子市中央町18−3
(公式サイト)⇒ 銚子山十 –

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