長野県南部（南信地方諏訪地域）の諏訪（すわ）郡は、江戸時代は諏訪藩（高島藩）領で、1879年（明治12年）の行政区画郡発足時には後の岡谷市・諏訪市・茅野市も含んでいましたが、現在は下諏訪町・富士見町・原村の2町（まち）1村が属しています。地名由来には“すわ（沢・湿地）”転訛説・す（砂）＋わ（端）で砂地の湖岸説等があり、古くからの洲羽／諏方／須波／須芳等が1834年（天保5年）に藩命で諏訪の表記となりました。県ほぼ中央の下諏訪町は平安期には土武郷と称され、諏訪大社下社鳥居前町として中山道・甲州街道分岐の宿場町として栄え、1874年（明治7年）の筑摩県諏訪郡下諏訪町（村格）・友之町（村格）及び5村合併で発足の下諏訪村が1876年（明治9年）に長野県所属となり、1889年（明治22年）の町村制・下諏訪村から1893年（明治26年）に町制・下諏訪町となって、1958年（昭和33年）の岡谷市一部編入・1983年（昭和58年）の諏訪湖面積分割で現町域となりました。下諏訪・毒沢の温泉で知られ、花梨・公魚・鮒・寒天・凍餅・凍豆腐・銘菓（塩羊羹・信州あべ川餅・諏訪湖豆等）・清酒等が特産品・名物です。諏訪地域東端で山梨県に接する標高900～1400mの高原地帯の富士見町は1955年（昭和30年）に富士見村及び3村合併で発足し、旧4村からの富士山遠望が町名由来です。古代米・高原野菜・蕎麦・馬肉・羊肉・寒天・虹鱒燻製・花卉（菊・カーネーション等）・トマトジュース・フルーツ大福が特産品・名物です。日本列島ほぼ中央・県中央部・八ヶ岳山麓西南部の原村は1875年（明治8年）の筑摩県諏訪郡8村合併で発足し、1876年（明治9年）に長野県所属となり1889年（明治22年）に町村制の村となって、かつて諏訪大社供物狩場で関ケ原戦後に開墾が許された広い原だったことが村名由来です。高原野菜（生産量全国一のセロリ・ブロッコリー・レタス等）・花卉(生産量全国一のアネモネ等)等が特産品です。郡内には老舗の飲食店・和菓子店・食品店・酒蔵・複数の旅館（下諏訪温泉）などが残っています。