愛媛県中部で県庁所在地の松山市は、四国地方最大の都市。徳川家康に味方した豊臣秀吉子飼衆の加藤嘉明が伊予国正木城（現・伊予郡松前町）から伊予国温泉郡（現・松山市）の領主となり、松山と命名して伊予松山藩を立藩し、松山城を築いて城下町を整備しました。その後は蒲生氏を経て伊勢国桑名藩から移封の松平定行以来の久松松平氏が親藩として江戸期を治めました。古代より名高い道後温泉等を中心とする道後温泉郷の町であり、夏目漱石・正岡子規・種田山頭火等の文人ゆかりの地でもあって、坊ちゃん・坂の上の雲等の小説の舞台として知られています。日本最後の完全な城郭建築とされる松山城・SL坊ちゃん列車・諸美術館等の文化施設などの観光資源も多数あり、帝人グループ等の化学繊維産業も盛んです。姫だるま・日本三大産地の竹細工等の伝統工芸品や温州蜜柑・伊予柑・葡萄（ニューピオーネ）・長茄子・蚕豆等の農産物が特産です。油揚げ（松山揚げ）・松山鮓（もぶり飯）・蛸飯・鯛飯・鍋焼きうどん等の郷土料理やタルト・薄墨羊羹・坊ちゃん団子・醤油餅・労研饅頭・日切焼等の銘菓も多く、市内には老舗の飲食店・和洋菓子店・食品店が点在しています。