港区元麻布は、空海開基と伝わり都内では浅草寺・深大寺に次ぐ古刹で著名人の墓も多い麻布山善福寺で知られ、昭和中期頃から隣接する六本木と共に発展して外国公館も多く所在する国際色豊かな高級住宅地となりましたが、老舗の飲食店も残っています。
1789年創業、更科そばのはじまりの地 総本家 更科堀井
麻布十番駅から徒歩7分ほどの場所にある 総本家 更科堀井。1789年(寛政元年)に、信州特産の信濃布を商っていた布屋太兵衛(堀井清助)氏が領主・保科家の屋敷近くの麻布永坂町に「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」を創業したことで、その歴史がはじまります。「更科」とは、信州そばの集散地だった更級の「級」の音に保科家から許された「科」の字を当てたものと伝えられているそうです。
この「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」をルーツにもつ店舗は現在麻布に3店舗ありますが、更科堀井が創業家である堀井家をルーツに持つ店舗となります。
(3店舗ある経緯は下部で簡単に説明しております)
という更科堀井さんの看板。創業200年の文字が輝いている…!
正面はこんな感じです。歴史あるお店ですが、カジュアルに入れる雰囲気が出ています。
まずはお蕎麦のメニューから。更科そばのお店なので、更科そば、季節の変わりそばがあり、さらにもりそば・太打ちそばもあります。
温かいそばメニューはこんな感じです。天ぷらそばの天ぷら数が選べるの良いですね。
一品料理がこちら。そそるメニューが揃っている…!
まずは卵焼きから。出汁が効いててとっても美味しい。
そして鳥焼き。
蕎麦寿司もオーダーしました。お揚げと蕎麦が最高に合います。考えた人天才だよね。
そして更科そばがやってきます。見てください、この白さ。
もうちょい寄りの一枚。更科そば=そばの実の芯の部分しか使わないので、お蕎麦が真っ白になるんです。喉越し爽やかで超美味しい。
伺った季節が秋だったので、松茸の天ぷらもオーダーしました。季節が楽しめるのもお蕎麦屋さんの醍醐味ですよね。
デザートにレモンゼリー的なものを。後味さっぱりで美味しい!
更科堀井さん、ご無沙汰しすぎて4年ほど振りの訪問となりました。前回はコース料理だったのですが、今回は単品で各種頼みました。やっぱり最高に美味しいなぁ。お蕎麦が美味しいのはもちろんのこと、一品料理のクオリティも高い素敵なお店です。もっと頻繁に通わないとだよなぁ。
※「更科堀井」、「麻布永坂 更科本店」、「永坂更科 布屋太兵衛」の3店舗について。
3店舗ともに1789年(寛政元年)に創業した「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」をルーツに持つ店舗となります。「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」自体は1941年に廃業をしています。
【麻布永坂更科本店について】
・1948年に馬場氏が「永坂更科本店」開業。「信州更科蕎麦所 布屋太兵衛」のルーツを持つお店ではありませでしたが、創業家である七代目堀井松之助と「永坂更科」の商号の使用に関して合意を得て、七代目堀井松之助さん(更科堀井の7代目)を雇用されていたお店です。1950年に「麻布永坂更科本店」として商標登録出願。
【永坂更科 布屋太兵衛について】
・1949年に「麻布永坂更科 総本店」開業。堀井松之助(現 更科堀井七代目)、妻きん、麻布十番商店街の小林玩具店の小林勇氏で、合資会社「麻布永坂更科 総本店」を設立。1957年に馬場氏の「麻布永坂 更科本店」と、小林氏の「麻布永坂更科 総本店」でともに同じ称号を使うことで調停を結ぶ。1959年に「永坂更科 布屋太兵衛」会社成立。
【更科堀井について】
・1960年堀井良造(更科堀井 八代目)は大学を卒業、合資会社「永坂更科布屋太兵衛」に入社。1984年 永坂更科布屋太兵衛の専務取締役堀井良造(更科堀井 八代目)は、「信州更科 布屋総本店」を開店。1985年、布屋という名称使用で裁判があり名称を「更科堀井」へ。
※創業家の堀井さんのルーツのお店となります。
———-総本家 更科堀井 基本情報———-
〇創業年 1789年創業 / 寛政元年創業
〇営業時間
11:30~20:30
※定休日 年中無休
〇住所
東京都港区元麻布3-11-4
○公式サイト → 総本家 更科堀井:更科そば
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